HAND & SOUL

HAND & SOUL「モノ」がたり 4 <陶片のブローチ>

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海岸に出たら広々した景観を愛でるのもいいですが、ミクロの景観にもうひとつの楽しみがあります。
せこせこ動き回らないで一カ所に腰を下ろして目の下の1メートルくらいの範囲をじーっと目をこらして見ましょう。
雑草という草がないように、砂というものが実は小石や、貝のかけらや、プラスチックの破片などの集合体であり、ひとつひとつの粒子がみんな独特の色と形をもっていて、砂の色をしたものはひとつもないことに気づきます。
たくさんのハッとする色、不思議なかたちに出会います。
そんな楽しみを覚えた人たちのなかには、それぞれ自分の宝物を決めてコレクションをはじめる人も少なくありません。
シーグラス、桜貝、流木、丸い石、ガラス瓶…。

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長年の友人である本井富士子さんのコレクションアイテムは陶片です。
日本最古の築港跡といわれる鎌倉・材木座海岸の東端200メートル沖に小石の河原のように見える和賀江島では、いまでも宋の陶片が出るといわれますが、
本井さんの対象はそんないわくのあるものではなく、ごく普通の茶碗や皿など瀬戸物の破片です。
角やエッジは波と砂のヤスリにかけられてやさしい形になっていますが、釉薬の白と青絵の部分がくっきりと残っていて、当然のことですがひとつとして同じものはありません。

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彼女は気に入ったものを選んで、止め金具をつけてブローチをつくります。
ブレザーの襟元につけたり、ベストにごちゃごちゃと沢山つけてみたり、楽しみ方はもちろん自由ですが、カジュアルでいて品がよく、かすかな潮風も感じられて、どんなジェムストーンにも負けない豊かな表情と存在感があります。

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本井富士子作「陶片のブローチ」  1個 700円 5個セット2,500円
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by love-all-life | 2009-05-21 17:55 | 「モノ」がたり | Comments(1)
Commented by kizashinoj at 2010-01-24 11:07
こんにちわ。素敵なブログに出会えました。
上の陶片ブローチ、とてもいい感じですね。
私も作ってみたいと思いました。
今さかのぼって読ませていただいている途中ですが、奥行きのある内容に惹きつけられています。
またおじゃましたいと思います。
さあ、次読もう。(思いがけない陶片に、ついコメントを書き込んでしまいました)
ありがとうございました。