HAND & SOUL

カマクラある記 4

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旧市街の鎌倉は海に開いた部分を除いて、入り組んだ丘陵が周囲をぐるりと囲む地形ですが、その山裾の谷の部分を「谷戸(やと)」と言います。机に置いて開いた手のひらの指と指の間のような平地の部分です。その昔は畠だったところに今は人家が浸食していますが、今も昔も人の暮らしと自然の接点であることにかわりはありません。
鎌倉のお寺の多くがそうした森閑とした谷戸の懐に位置しています。お寺の境内を含めその周辺の自然と調和した人家の佇まいは「鎌倉らしさ」のひとつの典型でしょう。

HAND & SOULの裏山の源氏山公園から、丘陵の尾根のハイキングコースを北鎌倉方面の谷戸に下り切ったところに浄智寺があります。鎌倉五山の4位の古刹で、四季折々の花が楽しめる禅寺ですが、その浄智寺に到る谷戸の道に沿った人家の佇まいは、かっては日本のいたるところにあって、いまは失われてしまった美しい「日本の住まい」の姿をそのまま残していて、ジイジが大好きな散歩コースです。

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住宅地でありながら、主役はあくまで自然、人はちょっと場所をお借りしているという風情です。
散歩ですから、見えるのはあくまで背景としての谷戸の緑と、家の門構え、生垣、生垣越しの庭木や屋根といった外観ですが、色彩も素材も簡素にして控えめ。われわれが皆こころのどこかに持っていながら、どこにあるかさえ忘れてしまった日本人固有の美意識を、ちょっと恥ずかしい気持ちとともに蘇らせてくれます。

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by love-all-life | 2009-08-08 08:51 | カマクラある記 | Comments(0)