HAND & SOUL

HAND & SOUL「モノ」がたり 18 <メッセージ額>


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いつだったか、白州正子がかって住んだ「武相荘」の写真を見ていたら、柱に「犬馬難 鬼魅易」という短冊がかかっていました。
「犬馬難 鬼魅易」とは、古代中国の「韓非子」に、皇帝が絵師に「描くのに最も難しいもの、最もやさしいものは何か」と尋ねたところ、絵師が答えて「犬馬は難く、鬼魅は易し」と答えたという故事で、そのあたりにいくらでもいる犬や馬のようなありふれたものを描くのは難しいが、奇怪な想像物なら誰にでも描けるというような意味です。
白州正子がどのような気持ちでこの句を掲げたかは想像するしかありませんが、多分、真の「美」は人の眼をそばだてるような派手なものではなく、ごく平凡なもののなかに存するというような意味ではなかったかと思います。そう思うと、この言葉に白州正子という人の生きざまや美学が収斂されているように感じられるのです。

人は、「こうありたい」と願ったり、「こうするぞ」と誓うとき、そのことを胸に刻むだけではなく、言葉として眼に触れるところに掲げます。いわゆる座右の銘ですが、形式はさまざまで、墨痕鮮やかに大書したり、鉢巻に朱書きしたり、ノートの最初のページに書いたり、手のひらに書いて握りしめている人もいます。


HAND & SOULでは、小さな石ころにアルファベットでスタンプの文字を入れて額にしたカタチにしてみました。

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メッセージは“ LESS IS MORE ”
直訳すれば「より少ないことは、より多いこと」ですが、削ぎ落とすことがより大きな効果を生むという、表現者が最もこころしなければならないことを示す言葉でもあると同時に、「過ぎたるは及ばざるが如し」、芭蕉が俳句の極意とした「いひおへてなにかある」、禅の「吾唯足知」(われただたるをしる)と言うような気になる言葉を包含していて、さらに心の豊かさ、精神的満足を目指すプラス指向がよいと思います。

人類の懸案である「持続可能な地球」の実現のためには、この言葉を指針とするしかないとさえ考えています。


そこでもうひとつの額は”LOVE EARTH”としました。

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LESS IS MORE額 60×4.5cm ¥15,000   LOVE EARTH額 60×11cm  ¥15,000
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by love-all-life | 2009-08-22 18:15 | 「モノ」がたり | Comments(2)
Commented by sagami M&M at 2009-08-24 22:14 x
かなり昔のことですが…、高校、大学と通った近所に、「武相荘」がありました。その当時は、「母の本棚に本があるな~」くらいの認識でしたが、10年ほど前に陶芸を始めて、正子や、青山二郎を知り、あんなに近くに…。と、あらためて思いました。もし、当時会えたら、(会うことなんてできなかったでしょうが)きっと面白い、そして厳しい おばあさんだったのだろうな。などと、残念に思いました。その正子の話を、ブログで再発見したのも、やっぱり不思議な縁ですね。
私は、お二人にお会いして、お話を伺う度に、たくさんの大切なメッセージをもらっています。
きっと、本当に会いたいと思っていた人には会えるのですね。
Commented by love-all-life at 2009-08-24 22:32
すてきなコメントありがとうございました。
「ミノ虫パーカー」、実はブログでいただいた最初の注文なのです。いろいろ勇気づけていただき感謝しています。