HAND & SOUL

夏の終わりに

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先週、夏休み残りわずかの孫たちを連れて、ボロ車を転がして越後妻有・大地の芸術祭に行ってきました。
広大なエリアに350点からある作品を二日で巡るのは到底無理な話で、必然的に小学生でも楽しめそうな田島征三さんたちの「絵本と木の実の美術館」や、日比野克彦さんたちのプロジェクトなど4カ所ほどに絞りました。
二日目の午後にはかなりぐったりの孫たちでしたが、松之山地区の森の学校「キョロロ」に着いたとたんに眼の大きさが3倍くらいになりました。
錆びた鉄板で装った蛇のような建物の「キョロロ」には木工体験工房があって、そこには木の実や小枝などの自然素材が山と積んであって、そんな材料でつくった昆虫や動物たちのオモチャがところ狭しと並んでいます。工具なども自由に使えて、専門の指導員のおじさんが丁寧に技術指導をしてくれるのです。

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子供にとって、人のつくった作品をお行儀良く鑑賞するなどということは苦痛以外のなにものでもなく、なにか面白い作品を見たらすぐに触発されて自分で何か作りたくなってしまうのが自然のなりゆきです。

孫たちは、何を作ろうかいろいろ目移りしたあと、やっと鹿をつくることに決めたのはよいのですが、なにせ経験不足で、材料ひとつ選ぶのも、工具の扱い方も、何一つうまくいきません。指導員のおじさんを頼りに四苦八苦です。
「ボクたちどこから来たの?」、「カマクラからです」と答えたとたんに、子供たちから聞かれたことだけに応えていたおじさんの表情がくしゃくしゃとくずれました。というのもおじさんがまだ十代だった頃、七里が浜一帯の大がかりな宅地の造成のために新潟から出てきて10年間も鎌倉に住んでいたことがあったのです。
「あそこには牧場があってね、牛がのんびり草を食んでいたよ」「エッ、あそこに高校ができたの!」「へー、そんなに立派な住宅地になったのか〜」と、頭は半世紀昔を辿りながら、手の方は子供をそっちのけで、どんどん鹿をつくっていってしまいます。

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できあがった作品は、とても「ボクが」、「ワタシが」作りましたとは言えないような立派な鹿になりました。

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というわけで、夏休みの自由課題がこれでなんとかなるという孫たちの目論みは見事はずれてしまいました。
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by love-all-life | 2009-09-03 17:53 | 文芸・アート | Comments(2)
Commented by ヨネモチ at 2009-09-04 08:29 x
カマタさん

こんにちは。
キョロロの森、僕も子供をつれて行った事があります。
というか、高校生まで生まれ育った町の隣なのですが…
まだお墓を残してあるので今年もお盆前にお墓掃除に
松代に行き、松之山に宿泊し、クメイのところを軽由して
(そこで子供は自由課題を作り…)戻ってきました。
大地の芸術祭では、幼なじみの家が「脱皮する家」という作品になっていて、学生のころよく遊びに行っていた場所なのでなんともいえない不思議な気持ちになりました。

HAND&SOULにも子供をつれていつかと思っています。
というか僕、実はまだ鎌倉にいったことがありません…

ヨネモチ
Commented by love-all-life at 2009-09-04 11:56
ヨネモチクンが松代の出だとは知りませんでした、そして「脱皮する家」で昔遊んでいたとは…。今回は寄れませんでしたが、前回のあれは圧巻でした。あなたには大地の匂いと風の触感が刷り込まれているのですね。
鎌倉、ぜひお子さんづれで来てください。