HAND & SOUL

HAND & SOUL「モノ」がたり 24 <1960年代のELLE>


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ジイジ、バアバはいわゆる戦後派といわれる世代に属しています。やっと物心ついた小学生時代に終戦になり、貧乏と栄養失調で薄汚れて痩せた全身に浴びたのは、発疹チフス予防のDDTであり、戦勝国アメリカの圧倒的な物質文明の情報シャワーでした。
スクリーンステージの上まで観客がぎっしり座った映画館で観るハリウッド映画はまさに夢の世界でした。ジイジはウエスタン映画がとくにお気に入りですが、大人向けの恋愛映画で話がチンプンカンプンでも平気でした。長時間の立ちっ放しも空腹も忘れて2回、多い時は3回も同じ映画を観て、俳優の衣装や家具調度のひとつひとつに見入って飽きませんでした。

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社会に出た頃には日本の奇跡の経済成長が始まり、TVが普及し始め、洗濯機や掃除機などの家電製品も手に入るようになり、ハリウッド映画の世界が徐々にではありますが現実となってきました。そうなるとアメリカやヨーロッパの暮らしがカタチづくられる源となっているものは何かに関心が向きます。当時は、というのは1960年代ですが、1ドルが360円でしたので手軽に海外に飛んで行くなどということは到底考えられませんでした。情報源というと雑誌が主流で、雑誌文化ともいうべきものが花開いた時期でもありました。著名アートディレクターが監修(当時はそんな事情は知りませんでしたが)した、質の高いイラストレーションや写真をフンダンに使った紙面の美しい大型の雑誌でした。安月給をはたいて洋雑誌をずいぶん買い込みました。おそらく給料の3分の1くらいは雑誌に消えたと思います。
ヴォーグ、バザー、エル、マドモアゼル、セブンティーン、グラマー、マッコール、エスクァイヤー、プレイボーイ。これ本屋さんの店頭にある洋雑誌を列記しているのではありません。全部自分で定期購読していたものです。いや購読といっても英語ほとんどダメ、フランス語にいたっては全然ダメでしたから、購読ではなくて購覧といったほうが正しいでしょう。
ライフやサタデー・イブニング・ポストなどの週刊誌は本屋で面白いと思ったものを選んで買います。バアバにいたっては、かなりの期間 WOMEN’S WEAR DAILY などというアメリカの日刊のファッション業界紙までとっていました。

当然のことながら家の中は雑誌の山になります。置き場所に困りますが、捨てようとする時に限って以前の記事が必要になったりして処分をあきらめます。記事と広告などを仕分けて解体してファイルをつくったりもしましたが、不思議と雑誌本来の姿でなくなると情報の魅力がスーッと消えてしまうのです。
ブックオフなどに持っていく気にもなれずいたのですが、そこで思いついたのがHAND & SOULに置いて興味のある方にお分けすることでした。これですと大切にしてきた雑誌がどんな方の手に渡るか分かりますし、雑誌を介していろいろなお話をすることもできます。
長年連れ添った雑誌がお客様との絆つくりに役立ってくれればこんなに嬉しいことはありません。

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1960年代〜1970年代のELLEを3冊づつ分包してセットにしてあります。 1セット ¥1,000
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by love-all-life | 2009-10-04 09:50 | 「モノ」がたり | Comments(0)