HAND & SOUL

HAND & SOUL「モノ」がたり 27 <Hさんのワーキングデスク>


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バアバこと内藤三重子のモノづくりは独特です。アイディアが生まれるとすぐに材料と向き合います。ときには紙と鉛筆でラフスケッチをするときもありますが、コチョコチョっと小さな絵を描くだけです。すぐに材料を切ったり、削ったり、穴をあけたりしはじめるのです。組み立てていくと当初の発想通りにならないことがあります(しばしばです)。少しぶつぶつ言ってから、新しいアイディアを加味して軌道修正します。まるで彫刻家が粘度に取り組んでいるようです。
流木などの自然素材を扱うことが多いせいか、小さな隙間や微妙に直角でないところがあちこちにありますがあまり気にしません。出来上ったモノがギシギシしたりグラグラして困るときはジイジが後始末の役を引き受けます。こうしてつくりあげられたモノは「机」や「椅子」や「鳥箱」ではなくて、どんなプロも真似できない独特の「作品」となります。

こんなバアバの作品を愛する人は少なくありません。そのひとりHさんからワーキングデスクの注文をがきました。
Hさんは世界一おいしいコーヒーを入れることに情熱をもっている人で、各地でたった一日だけのカフェを開いては、忘れがたいコーヒーの味をばらまいて歩いているコーヒー伝道師みたいな人なのです。この度のオーダーはHさんが最も大事にしているコーヒー豆を厳選する作業台ともなるデスクをつくるという光栄な仕事です。

いつもはバアバが好きなモノをつくり、それを気に入った人の手に渡るというパターンですが、今度は、手にする人もどう使うかも決まってからつくるというパターンなので、バアバにしてはめずらしく少し緊張気味でした。でもつくり方はいつもと同じで、一日裏の作業小屋に入り込んだと思ったら、翌日刻んだ材料をもって出てきました。いつもと少し違うのは、ジイジの意見を何度か聞きにきました。といってもそれはたんなる自己確認であって決してジイジの意見で何か変るわけではありません。

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Hさんからの条件は、基本の寸法と、デスクでコーヒー豆の選別作業すること、作業スペースが狭いということです。
バアバのアイディアは、デスクの下の空間にサブデスクと腰掛を収納できる入れ子にすることと、腰掛けはキャスター付きで、中は収納スペースにするというものです。材料は荒っぽくて安っぽい野地板を使い、板を合わせて補強して組み立てます。この方法だと軽量で作業が楽なのと、野地板の表面の荒さを生かした独特の仕上げが可能なのです。デスクの天板は、庭につくりかけたツリーハウスの何年も雨ざらしになっていた廃材を洗って磨いて使っています。引き出しや腰掛けの把手はかってはジイジが愛用していて悲しいかな今は短すぎて使えなくなった革のベルトを切って使いました。表面の仕上げはダークグレーの下地の上にスノーホワイトの塗装をしてサンダーでエイジング仕上げです。

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Hさん、気に入ってくれるでしょうか?
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by love-all-life | 2009-10-23 18:37 | 「モノ」がたり | Comments(1)
Commented by coffeeman13 at 2009-10-25 08:56
おはようございます。Hです。
先日はありがとうございました。焙煎機横のスペースにぴったりはまっています。椅子の収納のアイデアには脱帽です。
これからの珈琲焙煎が楽しみです。
今回は本当にありがとうございました。