HAND & SOUL

HAND & SOUL「モノ」がたり 29 <寄木のアクセント・テーブル>


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ずいぶん以前から箱根の寄せ木細工に魅せられてきました。斜面ばかりで畑作には恵まれないが木材資源だけは豊かな山間地という自然条件から生まれた独特の美しい伝統工芸品です。
箱根細工発祥の地といわれる畑宿集落には今も伝統技術の実演を見せる工房があります。多種の木材のかけらを寄せ集め糊で固めてスライスすると独特の幾何学模様の薄い板が出現します。比較的単純な工程なのに、生まれる模様には息を呑むような精緻な美しさがあり、自然を知りつくした職人たちが受け継いできた伝統の力を感じます。

この伝統技術を安価なおみやげものだけにしておくのはもったいないと、寄木技術を用いた家具などのアイディアを、小田原にあった県の工業試験所に持ち込んだこともありましたが、問屋がどうの、流通がどうのと現状を変えることの難しさをくだくだと言うだけなので、そういうことをやるのがお前たちの仕事だろうがとちょっとムッとしましたが、結局は門前払い同然ですごすごと引上げてきました。

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そんな記憶がどこかに残っていて、モノづくりの時間がもてる境遇になったいま、自分の拙い技術でできる範囲で、かってイメージしたものを現実の姿にしてみようと試みたのが今回の「寄木のアクセント・テーブル」です。箱根寄木のパターンのなかでもとくに好きな「乱れ模様」(正確には何というのか知りませんが)を模したものです。
本来の寄木は多種の木材の異なった色合いや木目を絵具のように使い分けて表現をつくりあげるのですが、こちらにはそんな木材の知識もないし、あったとしても高価だったり希少な木材を切り刻む技術も勇気もありません。安い杉材をカットしてペイントやワックスで色の変化を出すのですから、箱根の寄木とは似ても似つかぬまったく別物です。
箱根の職人さんからみれば噴飯もの以外の何ものでもないでしょうが、でも、ご飯を噴き出しながらもちょっと見て欲しいし、見るだけではなく胸も開いて欲しいなという思いもなくはありません。

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寄木アクセントテーブル 52×52×70cm(h)  ¥40,000

参考写真(上):「乱寄木八寸二枚組盆」本間寄木美術館蔵
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by love-all-life | 2009-11-03 17:40 | 「モノ」がたり | Comments(0)