HAND & SOUL

古典との再会

e0153357_20141699.jpg









いちばん年長の孫のKは高一で、ホルンの演奏家として身をたてたいと夢見ています、というか夢の段階は中学校と一緒に卒業して、いまや彼の夢は芸大で勉強することです。
「音楽では喰っていけないぞ」、「芸大に入るのは針の穴だ」、「趣味にしておいたら・・・」などまわりの心配の一方で、「好きなことをして生きるのがいちばん」、「後悔しないような人生をおくれ」などのエールもあって、本人には悩ましい日々のはずです。

ジイジ・バアバができることといえば、せめて聡明な人生の選択に役立つアドバイスくらいのものだろうと思いますが、口で言うと雑音のひとつくらいにしかすぎないと受け止められそうなので、去年の暮れに何か良い本をプレゼントすることにしました。

e0153357_2016434.jpg








自分が彼の年代に読んで大いに啓発された、ロマン・ロランの「ジャン・クリストフ」がいいと思ったのですが、読んだのは60年近くも前のことなので、果たしていまの彼にどうだろうかと、図書館で借りて来て再読してみました。

さらりとチェックするくらいの気持ちで読み出したのですが、やはり古典です。
昔読んだときには、主人公のまだ始まったばかりの人生における悩みや不安、また希望や生きる喜びといったものに大いに共感したこともあって、少年時代の部分のことしか記憶として残っていません。
しかし人生の終着点にさしかかったいま読んでみると、それはさらりと読み過ごすにはあまりにもったいない言葉の宝石箱のようであり、人間の精神と自然と美を包む壮大な世界が描かれていることが感じられます。
前は古典と言う饅頭の皮をかじっただけで、なかのアンコの存在を知らずに読んだつもりになっていたのだということがいまになって分かったのですが、しかし遅すぎたという感想は湧いてこないのが不思議です。
Kが「ジャン・クリストフ」を読んでも、所詮は皮の味だけかもしれませんが、それでも饅頭の存在だけでも知っておくべきだと思っています。

e0153357_20164458.jpg
「ジャン・クリストフ」から、ひとつだけ宝石をつまみ出してみましょう、


『人が要求してもかまわないのは幸福の最小限である。

 しかしそれよりも多くのことを求める権利は誰にもない。

 溢れるほどの幸福・・・・それはただ人が自分で自分に与えるべきものである。』
                               (片山敏彦訳)





風景画:Maxfield Parrish
[PR]
by love-all-life | 2010-01-14 20:44 | 文芸・アート | Comments(2)
Commented by sagami M&M作男 at 2010-01-22 08:08 x
楽しいですね。さまざまな、お客さんがやってくるのですね。
それにしても、タイワンリスくんはすごい…。
連続する写真を見ていると、リスくんが、
トム・クルーズに見えてきたり…。
当のリスくんには、ミッション以上の根源的な理由だと思いますが、
人間側からは、笑えてしまいます。
鳥も、リスも、一所懸命生きているのですね。
Commented by sagami M&M作男 at 2010-01-22 08:19 x
上のコメント。場所を間違えてしまいました。
申し訳ありません。
「バード+リス ウォッチング」でした。