HAND & SOUL

HAND & SOUL「モノ」がたり 40 <イワン・チビコビッチ>


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30年も前のことでしょうか、家の裏山にあたる源氏山公園に登る道の脇に鶏のチャボが住んでいました。
近所では、もともとは養鶏所かどこかで飼われていたものが捨てられて野生化したものと思われていました。4羽ほどのグループで昼間は林の中かどこかでエサをあさっているらしく姿を見ることはあまりありませんが、夜は道路脇の3メートルほどの高さの決まった木の枝に並んで休んでいるのです。
ヤッ、鶏は飛ぶことができるんだということを確認することができました。
朝な夕なに時を告げる彼らの鳴き声は佐助の谷戸のサウンドスケープにもなっていました。

ある日、その中の1羽が家にやって来て夕方になっても帰らないのです。翌朝になっても庭でうろうろしています。
どうもリーダー争いに敗れて、失意のうちに群れから逃れてきたのではないかということになり、かわいそうだからとエサをやるうちにうちに居着いてしまいました。
コッコちゃんという名前をもらって結構幸せそうに暮らしていました。
さすがに寂しいらしく、毎日夕方になると庭の端に立って、谷を挟んで直線距離で200メートルほどのかっての住処の方に向かって大きな声で鳴きます。最初のうちは何の応えも返ってきませんでしたが、そのうち仲間からの返答も来るようになったと思ったら、なんともう1羽、これも敗残兵とおぼしきチャボがのこのこやってきました。
チャボですからとても小ぶりなのに、立派なトサカをもち、尾は噴水のように立ち上がっていています。
どこかアンバランスでユーモラスなのでコサック兵みたいだと、イワン・チビコビッチという名前を授けました。

ジイジはチビコビッチ贔屓でさかんに可愛がるので、コッコちゃんは焼きもちを焼いてチビコビッチをいじめ、彼はついには目を突かれて失明させられて片目の海賊の船長みたいになってしまいます。
コッコちゃんは罰が当たったのかチビコビッチの呪いか、そのうちタヌキに襲われて絶命してしまい、ジイジ・バアバは生き物を飼うものが必ず経験しなければならない悲哀を味わうこととなりました。

今の家に住んで45年、アヒル、カメ、ウサギ、ハムスター、文鳥、セキセイインコ、カナリヤ・・・
ずいぶんいろいろな動物を飼いましたが、小さいくせに偉そうに胸を張って歩くチャボの姿には今でも忘れ難いものがあります。

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今回ご紹介するバアバ作のセーターもそんなチャボの思い出がアップリケになったものです。


フリース・セーター  ¥10,000
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by love-all-life | 2010-02-12 19:40 | 「モノ」がたり | Comments(1)
Commented by remmikki at 2010-02-18 08:51 x
いいストーリーですねぇ。チャボのセーターもとっても素敵!