HAND & SOUL

春になると

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昨日東京へ出たついでに丸善でカレル・チャペックの「園芸家12ヶ月」を買いました。これでこの本を買うのは多分4冊目だと思います。人との話が園芸におよぶと500円ほどの文庫本という気安さもあって「これ、面白いよ」といつも手許にあるものをあげてしまうので、自分が読みたくなる時にまた買ってくるからでなのす。


e0153357_1091152.jpgカレル・チャペック(1890〜1938)というチェコの作家への興味はバアバを通じてでした。それまでは「ロボット」という言葉の生みの親ということくらいしか知りませんでしたが、バアバが何冊か読んでいてその独特のシニカルでユーモアに満ちた世界の虜になっていたからです。

1989年にジイジが会社勤めを辞めたのを機に、シシリーからスタートしてイタリアの街々とウィーンを珍しくゆったりと時間をかけて旅行したとき、バアバがどうしても行きたいというのでプラハも旅程に組み込みました。
共産主義のくびきから解放されて間もなかったプラハは、それまでの西欧の街にくらべてどこか寂しさを滲ませているものの、映画「アマデウス」の舞台となった18世紀のウィーンの撮影ロケに使われた美しい街とモーツアルトの音と香りを堪能することができました。

ところがバアバはそれだけでは満足せず、どうしてもチャペックの家に行ってみたいと言うのです。ドイツ語もロシア語もましてやチェコ語もまったくわからず、何の予備知識もない家を探そうというのですから、バアバはいつも大胆不敵なのです。
本屋さんを探しては店員に「チャペック、チャペック」と言葉をくり返すことしかできないのですから相手も驚いたことと思います。それでもチェコの国民的作家の名前を連呼する日本人にはとても好意的で、ずいぶん時間がかかりましたが、どうにか地図で場所を示してくれる店に出会いました。プラハの郊外の駅まで地下鉄で行って、地図を頼りに中流の上といった住宅地を10分ほど歩いて、ついに表札にチャペック兄弟の名を刻んだ2所帯住宅のような家にたどり着きました。苦労してたどり着いたうれしさに思わず玄関のベルを押してしまいましたが、幸か不幸か誰もいない様子で、もし誰かが出てきたらどうするつもりだったかいま考えると冷汗が出ます。


e0153357_10111995.jpg裏に回ると「園芸家12ヶ月」の舞台となったチャペック兄弟が丹精して庭作りをしていたバックヤードがあります。今は誰が管理しているのか分からないまま、多種の草花が渾然と植え込んである変化に富んだガーデニングをしっかり目に焼き付けてきました。


ジイジが「園芸家12ヶ月」を人に薦めるのにはこんな思い出があるのです。
いずれチャペックの園芸術にしたがって庭づくりをするのがジイジ・バアバの夢であり、春が近づくと本棚から消えた「園芸家12ヶ月」をまた買ってくるというのもこうしたわけなのです。

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by love-all-life | 2010-03-06 10:35 | 文芸・アート | Comments(1)
Commented by salam2002 at 2010-03-21 19:57
こんにちは。
時々おじゃましています。
実は昨日、図書館で借りてきました「園芸家の12ヶ月」。
昨年、プラハなどに行きチェコにはまってしまいました。今年もGWにプラハに出かけます。
私もチャペックの家へ行ってみようと思っています。
リタイアしてからの生き方も参考になります。
また、おじゃまします。