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HAND & SOUL

HAND & SOUL「モノ」がたり 58 <YOUNG AT HEART>



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「宝石に興味ない奥さんをもって幸せね」とは、バアバがジイジになにかオネダリするときにジイジに恩着せがましく言う決まり文句です。
だからといってバアバが宝飾品に関心がないかというと決してそんなことはなく、ただ宝石の価値よりそれを上回る魅力をデザインに求めるのです。ですからバアバが欲しいというアクセサリーは、ときにはとてつもなく高価だったり、あるときはグリコのおまけのようなジャンクだったりします。当然のこととして高価なものには手が出ませんから、バアバの手許にはジャンクのような一風変わったアクセサリーばかりが残ることとなります。


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ここにバアバのお気に入りのネックレスがあります。1970年代にジイジが(まだジイジになるはるか以前ですが)ニューヨーク土産に買ったもので、ミラノから進出してマンハッタン東59丁目に開店したばかりのフィオリッチ(FIORUCCI)の店で見つけたものです。駄菓子のおまけのようなプラスチックのジャンクを数珠繋ぎにした安っぽさが魅力のキッチュなデザインです。
装飾品といえばエレガント、女らしさだった時代に、このネックレスがイメージしているのはいたずらっぽい遊び感覚であり、ちょっとした反逆精神です。それまでのものが周囲のため息を期待して着けるとすれば、これは着けた人の周りに笑いや会話がはじけます。イマ風に言えば「ヤバい」デザインというところでしょうか。
このネックレスをバアバがどれほど気に入ったかというと、今回つくった新作のネックレスがまさにジャンクスタイルなのです。ニューヨークみやげから半世紀近く、いまでは壊れて引き出しにしまい込まれていた古いネックレスはバアバの胸のなかではいつも現役だったというわけです。


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バアバが長年溜め込んだブリキのオモチャやドールハウスの小物やどこかで拾ったりしたわけの分からないモノたちが入ったガラクタの箱(バアバは宝石箱と思っていますが)や裁縫箱をひっくり返して遊んだ副産物としてのネクレスです。音のでるものや光を発するものも入っているんですよ。
たまたま今日の朝刊を読んでいたら、いま開催されている東京の玩具の見本市では、自分でいろいろなモノを寄せ集めてつくる手づくりアクセサリーグッズが大人気なんですって。ね!バアバはYoung at heartでしょ。


「Cute Junk」ネックレス  1つ ¥8,000

上のドローイング:アントニオ・ロペス(Vanity Cover)
by love-all-life | 2010-09-16 09:36 | 「モノ」がたり