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HAND & SOUL

HAND & SOUL<モノがたり> 67 流木の三つ又ランプ

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HAND & SOULの直近に全国的に知名度の高い銭洗弁天がありますが、その脇の谷を入ったに奥に、あまり人に知られていませんが頼朝と縁の深い佐助稲荷があります。いつも薄暗く感じるほど鬱蒼としたの緑の中に赤い鳥居のトンネルの階段が伸び、閑静な社の周りにはリスが走り回っています。「弁天さんに行くなら、ぜひ佐助稲荷にも寄るといいよ」とジイジはいつも人に勧めます。


この佐助稲荷の門前に、古くからの友人であるTMさんが住んでいます。かって世界を股にかけて活躍したデザイナーで、商業施設などの空間デザインが専門です。いまでは現役を退いて、たっぷり手にした時間をもっぱらウォーキングに充てています。1日にどれほどの距離を歩くかわかりませんが、家のものが外に出かける度にTMさんに会います。ジイジが海岸への散歩で会ったと思ったら、昼に買いもので出た嫁さんが「TMジイ、見たわよ」と言い、学校から帰ってきた孫が、また全然違う道でTMジイに会ったと報告します。一体この世に何人のTMジイさんがいるか、わが家の夕食の話題のひとつです。
TMさんはまた開店以来HAND & SOULを応援してくれていて、客足が疎らなときなどを見計らってはちょいちょい顔を出してくれて、木片の家などの小物を買ってくれる気遣いをみせるありがたい存在です。

ジイジのバケツの傘のランプ(写真/下左)を気に入ってくれたTMさんは、去年の暮れ部屋の模様替えをした際に購入してくれました。
ところが1月になって鎌倉の雪ノ下に新居を構えることになった娘さんがバケツのランプを持って行ってしまったのです。ランプを取り戻すには別のランプを与えるほかないと悟ったTMさんは、娘さんの新居のために新しいランプを注文してくれました。

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寝室のベッド脇に置く読書用ランプということでしたので、以前に箱根の別荘用につくった流木のランプの写真(上右)を見せると、娘さんの意見も聞かず「うん、これがいい」と決めてしまいました。「でも、これと同じものはできませんよ」と断って、手持ちの材料を物色してまとめたのが今回の「流木の三つ又ランプ」(写真/下)です。

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選んだ脚の材料は二股に別れた枝の流木と、これも海岸で拾ってきた多分お膳の脚ではなかったかと思われる少し湾曲した角材です。なので三つ又といっても二つのピースを組み合わせたものです。二股の枝はゆるんだズボン下をはいたようなユーモラスな表情があり、角材とはまったく異質ですが、そのとり合わせが面白いと思ったのです。二つを結合した上で革の帯と紐を巻いて飾りとしました。傘はIKEAのカタログから選んだ既製品です。

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できあがった作品を親父は気に入ってくれましたが、肝心の娘さんはどうでしょうか? やすらかな憩いへの誘いに一役かってくれればいいのですが・・・。
by love-all-life | 2011-02-28 11:05 | 「モノ」がたり