HAND & SOUL

カラスはどれほど可愛いか 2

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人はスズメやウグイス、メジロ、文鳥といった小さな鳥をほとんど例外なく可愛いと思い、それらの鳥が身近にいると幸せとさえ感じます。ハトは決して小鳥というほど小型ではありませんが、神社などですぐ近くに降り立ちヨチヨチと近寄って来たりすると、自分が信用されているようで、ついつい気をよくしてエサをやってしまいます。なかには迷惑がる人もいますが子供たちは大喜びです。

翻ってカラスを好きと云う人はいません。ごくたまにカラスを飼っている人もいるようですが、世間はそういう人を何となく「変な人」とみてしまうのではないでしょうか。
なぜカラスはこれほど嫌われるのか。
その理由のひとつはカラスのもって生まれたフィジカルな特徴からくる、いわれなき偏見でしょう。
大きさや形が、可愛いと感じさせることを阻んでいることもありますが、何といってもカラスが損をしているのは黒という色でしょう。黒は心理的にも社会的にも不吉、不安、暗いといったイメージと強く結びつくからです。
さらに、あの「カーァ」という大きな鳴き声も、なんと無神経なヤツ、下品なヤツというイメージを人に与えてしまう大きな要因でしょう。
ときには二羽が身を寄せ合って小声で「グルル、ルル」とか「コゥ、ウウ」とか鳴いて、細やかな情を示し合っているかのような場面もありますが、かえって薄気味悪さを感じてしまうのは、こちらがカラスに抱いている悪者イメージがよほど強いからでしょう。

カラスにこれほどの悪者イメージを与えてしまったもうひとつの理由は、いわずと、生ゴミをあさり、道路を汚くちらかすカラスの傍若無人の迷惑行動であり、さらにその対抗策をことごとく見抜いて裏をかくズル賢さでしょう。

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私たちが愛おしむ小鳥は、小さくて弱々しく、かわいらしいキレイな声で鳴き、時たま姿を見せては、もっと見ていたいと思うときにはスっと姿を消し、こちらに何の被害ももたらさない・・・。
カラスの存在はまさにこの対極にあるのです。
つまりキタナイ、ウルサイ、ナマイキ、ズルイ、キモイ、クライ・・・こんな形容詞が真黒な羽の衣を纏って空を飛んでいるようなものです。
こんなカラスを「カワイイ」と感じるようになるには、余程の手練手管を労するか、こちらが「変な人」になるしかないのでしょうか。


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ところで、一時韓国に住んでていたとき、カッチという、日本では九州あたりだけに生息し、カササギとして知られている黒い鳥をよく見かけました。韓国の国鳥とも言われていて、日本のカラスよりひと回り小ぶりですが、ちょっと見はカラスによく似ていて、分類上も同じカラス科に属します。日本のカラスと違うところは、胸と羽の一部が白いことと尾羽根が長めです。しかしいちばん大きな違いは、なんと言っても人びとがカッチに対して抱いているイメージです。
カッチは韓国で縁起の良い鳥とされているのです。最近は増え過ぎてやや迷惑がられているとも聞きますが、公園の木立や街路樹などにカッチが飛来すると人びとは心なしかホッとしたような幸せな気持になるように見えます。カッチのほうもそういう人びとの気配を知ってか警戒の素振りをあまり見せません。

うーん、何かこのへんにカラスとの関係改善のヒントがありそうな気がします。
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by love-all-life | 2011-03-26 18:06 | カラス | Comments(0)