HAND & SOUL

HAND & SOUL「モノ」がたり 79 < 椅子だった椅子>

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1年ほど前にHAND & SOULの隣地に住んでいたお年寄りが施設に移り、住居を撤去し、その跡地が分譲されるので、植木や家財道具の多くが産廃業者によって廃棄処分されることになりました。
縁者の方が来て、ご入用のものがあったらご自由にということになったので、梅や杏や五葉の松などの樹木や草花の株は、庭にゆとりのあるご近所に引き取りとられましたが、移植に費用のかかる大きな樹木や、名も定かでない(こちらが知らないだけですが・・・)多くの木がブルトーザーでなぎ倒されました。骨董価値のない家具類も家屋の廃材と一緒にゴミと化し、トラックに積み上げられました。そんな中に食堂で使われていたであろう、かなり傷んだ木製の椅子があったのでもらい受けました。

去年夏開催された「2010瀬戸内国際芸術祭」の椅子プロジェクトをお手伝いして以来、古くなった椅子の再生に興味がありました。その時は、瀬戸内海の小さな離島で、島の人が供出してくれる使い古された椅子を、船板や流木などを使って再生して、坂道の多い島の路地に置いて、憩のスポットをつくるという企画でした。費用の制約や遠隔地での作業という条件のなかで、なかなかこちらが思うようなかたちでコトが進まなかったこともあり、一度手許で時間をかけ、好きなように古椅子と付き合ってみたいと思っていました。そしてその機会到来というわけです。

家人は、またガラクタを持ち込んでと苦い顔をしていましたが、椅子を壊してよいと聞いて二番目の孫Rは大喜びです。普段のゲームに向かっているときより眼を二倍くらい大きく見開いて、使い慣れない工具で椅子のと格闘が始まりました。
「ヘーッ、椅子って、こんなになっているんだ」といろんな発見があり、その興奮の姿を見ただけでも椅子を貰ってよかったと思いました。

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孫が、背と座の布を切り裂き、アンコのスポンジをちぎりとり、芯の板をぶち抜いて、骨格だけの姿にします。その後はジイジがサンダーでニスを全部削り取り、ヌードの椅子が3脚出現しました。

さぁ、これをどう料理するか・・・、アイディア出しの苦しみと楽しみを存分に味わうのはジイジです。
どんな再生椅子になるか、まだ皆目未定ですが、タイトルだけは決めました。「椅子だった椅子」です。
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by love-all-life | 2011-08-06 20:00 | 「モノ」がたり | Comments(0)