HAND & SOUL

HAND & SOUL「モノ」がたり 104 <バアバの「ミーちゃん人形」>

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バアバは今では珍しい9人兄弟姉妹の末っ子です。すぐ上の姉とは3才違い、一番上のお兄さんとは15才も違います。小さい頃はいつもまともに遊んでもらえず、ミソッカスとかオミソと言われていました。77才になった今でもそのままオミソです。
着るものやオモチャはいつも上からのお下がりで、バアバのために新調してもらえることはあまりありませんでしたし、末っ子の主張がまわりから注目されたり尊重されることはメッタにありませんでした。
なのでバアバは独りで自分の世界をつくって、そのなかで自分を主人公にして遊んで楽しむ時間が多かったようです。

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50才を過ぎてバアバが雛人形をつくるようになったのも、きっかけは初孫娘のためですが、もうひとつ動機があって、幼いとき家にあったお雛様の衣装を着せ替えしようとしたら、布が張り付いていてできないので、なんとか着せ替えができる雛人形が欲しいとずーっと思っていて、ついに自分でつくることでその夢を叶えたのでした。
そうしてみると、バアバにとってお人形は、たんに買ってもらうもの与えられるオモチャではなく、自分らしさを表現する相棒であり、自分でつくるものだったことがわかります。

ここでご紹介する「ミーちゃん人形」も、そんなバアバが子供の頃、独ぼっちの時間に自分の言いなりになってくれる家来、自分の分身、自分の友だち、自分の子どもとしてつくり出したバアバのお人形の原点とも言えるお人形なのです。
同じものを14年前、初の孫娘Hのためにつくり、いまでは4才の妹のKが、ヨダレと汚れで真っ黒になった「ミーちゃん人形」を片時も離さず持ち歩いています。

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今回、青山のタンバリン・ギャラリーと、長岡のギャラリーmu-anの展覧会の展示に、バアバは久しぶりに「ミーちゃん人形」をつくりました。
タンバリン・ギャラリーでは昔の人形と並べて展示しようと、Kに貸してちょーだいと頼みましたが、しぶるKを説得して「ウン」と言わせるのに一苦労でした。

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展示した「ミーちゃん人形」はそれぞれ新しい持主が決まり、いなくなってしまい、いまバアバの手許には1体も残っていません。
バアバは孫娘の持ち物になってしまった人形に未練がありますが、たまにしか会うことができず、クレイマークレイマーのダスティン・ホフマンの心境です。
成長する孫娘たちが歩む今後の人生に「ミーちゃん人形」の痕跡がどのように残るのか、バアバが自身の眼で確かめることができるかはビミョーです。
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by love-all-life | 2013-03-09 21:06 | 「モノ」がたり | Comments(0)