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HAND & SOUL

大阪はワンダーランド

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先週の土曜日はHAND & SOULは臨時休業をいただいて、大阪・星ヶ丘ソーイング・ギャラリーで開催中の「HAND & SOUL内藤三重子・鎌田豊成」展での「お話会」行ってきました。

梅田駅から京都行きの京阪線に乗って枚方市駅で交野線に乗り換え、星ケ丘という駅で降りて、住宅地の坂道を5分ほど登ったところに目的地の星ヶ丘洋裁学校の門柱がありました。
中をのぞくと、茂った木立と春の野花が咲き乱れる庭の奥に朽ちかけた木造家屋が見えます。えッ、ここでいいの?と一瞬歩みを止めますが、同伴のナーヤこと村椿菜文と中2の孫娘H、4才のKはサッサと奥へ入っていきます。そして前にここに来たことがあるバアバもサッサと奥へ入っていきます。
玄関はどこかわからないまま進むと、教室とおぼしき踏み石を置いたガラス戸の横の板に展覧会のDMが鋲で止めてあります。「アッ、ここか」と思った瞬間、ガラス戸が開いて、既知のHちゃん、Nさんたちが大手を広げ歓迎の笑顔で出迎えてくれました。

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そこはソーイング・ギャラリーという名の通り、昭和23年に建てられた古い古い洋裁学校の教室=ギャラリーなのです。ですから外見はちっともギャラリーらしくないのですが、そ場になじんでくるにつれて、ギャラリーの教室と校庭らしき裏庭を含めて、自然の古びと人が手をかけた部分が渾然一体となっていて、なるほどHAND & SOUL展にぴったりの空間だと合点がいきました。
以前、校舎の老朽化で取り壊しの話が上がったとき、有志の人たちが知恵を出し、力を合わせ、汗を流して存続を実現し、その一室をギャラリーとして自主運営しているのです。

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敷地の中にはピカピカした美麗なものはありませんが、子供たちが自由に遊べる広っぱ、陶芸窯、カフェなどなど、至福の時間を生み出す装置が備えられています。古い板塀が壊れれば、はがれた板で船のオブジェをつくったり、庭の片隅にスクリューが転がっていたり、裸電球が下から生えてテーブル・ランプになっていたり・・・まるでお伽の世界です。
星ヶ丘という地名も、どこか童話めいていますが、実はギャラリーのすぐそばに天の川(地図には「天野川」と記されています)が流れているのです。そしてなんと七夕伝説がここから生まれたという真面目な説があるというのですから、だんだん異次元の世界に迷い込んだような気分になってきます。

その日は、参加者全員がサポーターのチーフメンバーNさんの手打ちうどんに舌鼓をうったあと、ナーヤの司会でバアバとジイジのお話会があり、皆さんとの3時間の交流を楽しみ、別れを惜しんで新幹線に乗りました。
それにしても、枚方をヒラカタ、十三をジュウソウ、交野をカタノと暗号のような地名を経て、訪ねたところが七夕伝説の地だったり、エスカレータで歩かない人は「右側」に立っていたりと不思議なことだらけで、大阪というところはわざわざユニバーサル・スタジオを訪れるまでもなく充分ワンダーランドでした。
by love-all-life | 2013-04-18 00:32 | その他