HAND & SOUL

セレンディピティ

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「セレンディピティ」という言葉を「偶然につかんだ幸運」というような言葉として聞いたことがありましたが、改めて少し調べてみました。(といっても、ネットで関連記事を漁った程度ですが)
 原語はserendipityで、意味は「ふとした偶然をきっかけに閃きを得、幸運を掴み取る能力、探しているわけではないもの、それもいいものを偶然に発見する能力」とされ、そういう能力を持つ人をserendipperと言います。

 セレンディピティの事例としては、古くはニュートンのリンゴから、ラジウムを発見したキューリー夫妻、ダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベルなどが知られています。最近の例では、板チョコのように刃を折れるようにすればいいとひらめいた「カッター」。超強力接着剤の開発の失敗作から一転、「楽譜から落ちるしおり」を見てひらめくいた「付箋」。第2次世界大戦中、アメリカ軍兵士の水虫を防止するためブーツに中敷きとして使 用され、戦争後使い道を失った防水シートが、ピクニックで奥さんがレタスを包んだ事からひらめいた「サランラップ」。軍事用レーダーの研究者が「レーダーの近くで働いていた人たちのポケットに入れてあったチョコレートが柔らかくなる」ことに気がついて発明された「電子レンジ」などがあり、いずれも「行き掛けの駄賃」的な経緯で生まれた幸運たちです。 

そもそも、この言葉の発端は【セレンディップの3人の王子たち】というペルシャの童話で、ペルシャを旅するスリランカの3人の王子たちが、偶然と持ち前の聡明さからいろいろな問題を見事に解決していくというお話です。セレンディップとはペルシャ語でセイロン(スリランカ)のことです。 
のちにイギリスの小説家となるホレス・ウォルポールが子供の頃に読んだこの話から「セレンディピティ」という言葉を生み出しました。 

当方がこの言葉に興味をもつのは、なにか創造的な成果を得るのに「偶然」がキイワードとなるという点です。 
一般的によく言われる「創造」の過程とは、まず日頃から周囲の事柄に興味や旺盛な好奇心があるという前提があって、そういう人が具体的な課題を与えられるとアイディアの発見にエネルギーを集中しますが、革新的なアイディアなんてそう簡単に出るものではありません。そういうとき一旦考えることから離れて、べつな事柄に時間を向けたりしてからまたもとの問題に戻ると「はッ」とひらめきに至るといわれます。
 なにか一生懸命にものごとを考えつめていると、思考の呪縛にとらわれてしまい、他の一切に目がいかなくなって袋小路に入り込んでしまいます。そういうとき、例えばトイレにいくとか、映画をみるとかすると突然アイデァイが思いつくなどと言われます。
このトイレや映画にあたる思考の呪縛から解放されるきっかけとなるものが、セレンディピティの場合は「偶然の失敗」なのでしょう。 

ただ一心不乱に考えているだけではダメといっても、決して「果報は寝て待て」というわけではなく、それなりの条件がつきます。豊富な経験値、些細なことから洞察する力、異質なものへの受容性といった資質でしょうか。
 科学者であれデザイナーであれ、場はトイレであれ研究室であれ、いずれにせよ「チャンスは準備された心に降り立つ」(パスツール)というのは真理のようです。








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by LOVE-ALL-LIFE | 2014-01-26 21:33 | 文芸・アート | Comments(1)
Commented by 遊佐恵子 at 2014-03-02 22:37 x
文章の一つ一つが同感です。少しづつ過去にさかのぼってブログを見せていただきます。寝る前の楽しみです。