HAND & SOUL

技とテクノロジー

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青空にコブシがまぶしい陽気でした。

夕方近くぶらっと街へ散歩に出て、ぶらっと図書館に寄ってみました。
以前はたまに利用する程度だったのが、リタイア後は、家に本が溜まらなくて済むことと、経済的理由から、かなり頻繁にお世話になっています。

入り口の柱に「鎌倉鳶(とび)~先達の足跡~」と張り紙があったのでエレベーターで3階へ上る。
閑散とした薄暗い廊下の、衝立て2枚とガラスケース2台に、鎌倉で活動した鳶職の古文書や、大正から昭和初期の写真や纏などの品が展示してあります。

印半纏に脚絆にねじり鉢巻、写真に写ったの鳶の者たちは姿も表情もきりっと締まって見え、彼らが自分の仕事に誇りをもっていたことが伺えます。
展示してある纏や半纏などはどれも洗練された完成度の高いデザインです。
鳶口という極めて単純な道具ひとつを操って不可能を可能にしてしまうような仕事には、一糸乱れぬチームワークと人の技の伝統があり、それらは磨きあげられた様式となり、文化の領域に達していたのでしょう。

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「古くは鳶者(とび)といわれ、土木工事が盛んになった近世初期から、普請場で鳶口を使って大きい材木や石を動かす仕事に携ったことから言う。
集団で行う仕事の音頭をとるために独特の『木遣り唄』が唄われた。云々」と解説があります。

あ、そうか。この人たちの仕事はいまはショベルカーやクレーンと、オペレーターと称する運ちゃんたちにとって代わってしまったんだ。
それにしても荒々しい建設現場に似つかわしくない化粧品のような色彩のショベルカーや、裾だぶだぶのズボンの出で立ちは、それなりの機能性をもっているのだろうが、滑稽というか、粋とか美の感覚とはずいぶん遠いなぁと思う。

機械力に頼ったショベルカーやクレーンの現場からどんな様式や文化が生まれるのだろうか。
マニュアル化された手順と効率主義から生まれるものがお金だけだとすれば、”サブプライム”を対岸の火事と言っていられないかも。

*「鎌倉鳶」資料:鎌倉中央図書館
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by love-all-life | 2009-03-17 21:42 | 文芸・アート | Comments(0)