HAND & SOUL

冷えた野菜と、醜い食器

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「冷えきった野菜が醜い食器よりは害がないことを銘記しよう。一方は身体に影響するが、もう一方は心を犯す。」
とは、建築家C.F.A.ヴォイジー(1857~1941)の言葉です。
温かくおいしい料理さえあれば、それがどんな器に盛られているか意に介さないのは精神的堕落だと言うのです。

ちょっとカッコよすぎるような気がしないでもないですが、とても惹かれてしまうのは、安くてそこそこおいしければ,ビニールパックのお弁当でもいいやとしてしまうような暮らしへの後ろめたさを感じているからでしょう。

われわれわれは膨大なエネルギーを使って、便利になること、快適になることを進歩と呼んできましたが、これは「楽(らく)」することへの進歩であっても、決して人間の進歩でないことに気づき始めています。
いくら楽(らく)ができても、楽しいとは限らないからです。

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肉体の「楽(らく)」と、心の「楽(たのしさ)」のバランスということで言えば、1万年前のラスコーやアルタミラの動物壁画や縄文土器を持ち出すまでもなく、原始の人たちの方がはるかにバランスのとれた暮らしをしていたようです。
自らのHANDとSOULで命を守る営みが、同時に美の創造であるような暮らし…これこそが、彼らが単なる哺乳類から「人類」になった証なのです。
いや、生きることが過酷である分、それに抗するべく心の「楽」つまり「美」を求めたのかもしれません。

少しやせ我慢しても美しいモノ、楽しいコトにこだわりたいと思います。


*食器写真、”MONET’S TABLE”より
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by love-all-life | 2009-03-25 20:42 | 文芸・アート | Comments(0)