HAND & SOUL

2009年 09月 03日 ( 1 )

夏の終わりに

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先週、夏休み残りわずかの孫たちを連れて、ボロ車を転がして越後妻有・大地の芸術祭に行ってきました。
広大なエリアに350点からある作品を二日で巡るのは到底無理な話で、必然的に小学生でも楽しめそうな田島征三さんたちの「絵本と木の実の美術館」や、日比野克彦さんたちのプロジェクトなど4カ所ほどに絞りました。
二日目の午後にはかなりぐったりの孫たちでしたが、松之山地区の森の学校「キョロロ」に着いたとたんに眼の大きさが3倍くらいになりました。
錆びた鉄板で装った蛇のような建物の「キョロロ」には木工体験工房があって、そこには木の実や小枝などの自然素材が山と積んであって、そんな材料でつくった昆虫や動物たちのオモチャがところ狭しと並んでいます。工具なども自由に使えて、専門の指導員のおじさんが丁寧に技術指導をしてくれるのです。

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子供にとって、人のつくった作品をお行儀良く鑑賞するなどということは苦痛以外のなにものでもなく、なにか面白い作品を見たらすぐに触発されて自分で何か作りたくなってしまうのが自然のなりゆきです。

孫たちは、何を作ろうかいろいろ目移りしたあと、やっと鹿をつくることに決めたのはよいのですが、なにせ経験不足で、材料ひとつ選ぶのも、工具の扱い方も、何一つうまくいきません。指導員のおじさんを頼りに四苦八苦です。
「ボクたちどこから来たの?」、「カマクラからです」と答えたとたんに、子供たちから聞かれたことだけに応えていたおじさんの表情がくしゃくしゃとくずれました。というのもおじさんがまだ十代だった頃、七里が浜一帯の大がかりな宅地の造成のために新潟から出てきて10年間も鎌倉に住んでいたことがあったのです。
「あそこには牧場があってね、牛がのんびり草を食んでいたよ」「エッ、あそこに高校ができたの!」「へー、そんなに立派な住宅地になったのか〜」と、頭は半世紀昔を辿りながら、手の方は子供をそっちのけで、どんどん鹿をつくっていってしまいます。

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できあがった作品は、とても「ボクが」、「ワタシが」作りましたとは言えないような立派な鹿になりました。

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というわけで、夏休みの自由課題がこれでなんとかなるという孫たちの目論みは見事はずれてしまいました。
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by love-all-life | 2009-09-03 17:53 | 文芸・アート | Comments(2)