HAND & SOUL

2011年 04月 25日 ( 1 )

カマクラある記 13 <坂の下>

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啓蟄より遅れること一月あまり、朝の寒気が緩み、温いふとんへの未練をそれほど感じなくなると、もぞもぞベッドを抜け出してジイジは朝の散歩を始めます。
デジカメと、ケイタイ(時計がわりです)と、ビニール袋(なにか拾うかもしれないので)をポケットに、気の向くままカマクラの路地を歩き回ります。以前は英語の耳ならしに携帯ラジオでFENを聞きながらでしたが、最近は止めてしまいました。これといった理由はありませんが、小鳥の声を聞いたり、すれ違う人と挨拶を交わすに邪魔と感じるようになったからです。こうして暮らしから少しづつ細かいことが削がれていくのも老化ということなのでしょうか。

海岸で石や貝がらや流木を拾うのと同じような感覚で写真を撮ります。路面の面白い表情、生垣のディテール、不思議な色合いの壁、変な看板・・・どれもしょうもないモノばかりです。これらは流木などと違って持って帰るわけにいきませんが、写真を撮ると自分のものにしたような気持になるのです。

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ここ二日ほど由比ケ浜海岸の一番西よりの「坂の下」を歩きました。海岸沿いの自動車道路から一歩入ると、ほんの100メートル四方ほど区域に、昔の漁村のなごりやサーファーの気配や民家が混在する、人がすれ違うのがやっとの路地が家並みを分ける静かな一画があります。このあたりの路地はかっては砂地でしたが、いまはどんな細い小径も舗装されてしまいました。
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ジイジが撮る写真には、そんな坂の下の風情を写し撮ろうという意図はさらさらありません。吹き寄せられた漂着物のなかに「面白い」を漁る流儀で、ひたすら景色の中のディテールを追いかけて楽しむのです。
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6時に家を出て坂の下まで約2キロ。写真を撮りながらぶらぶら歩きで往復すると1時間半から2時間の手ごろなウォーキングです。逆方向へ足早にすれ違う現役たちを横目に、若干の悲哀とともに気ままな身分を確認するひと時であり、これで錆びついた感性を少しでもリフレッシュできればなァという淡い期待もあるのです。


 
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by love-all-life | 2011-04-25 11:03 | カマクラある記 | Comments(0)