HAND & SOUL

カテゴリ:カラス( 4 )

はぐれカラス



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お天気情報が台風4号の接近で注意を呼びかける朝、庭でギャーギャー普段と違うカラスの声がするので見ると、子ガラスが一羽ガーデンチェアの上で啼いています。
毎日うちにやって来てはやっと実をつけたトマトを採っていったり、庭で食事をしているとスキをみてお皿上の食べ物をさらっていく無法者の夫婦カラスが育てていた赤ちゃんカラス違いありません。
巣立ちに失敗し力つきて巣に戻れなくなったもののようです。どこか悪いのか、ケガでもしたのか、声の限りをつくして親に助けを求めています。

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親カラスが時おり近くの枝までやってきますが、子カラスといってもすでに親鳥と同じほどの大きさなので、くわえて連れ帰ることもできず、自力でなんとかするのを見守るばかりです。そうなると近くまで来ても助けてくれない親を恨めしげにいっそう声を高く啼きます。
人が近づいても弱っているのか逃げようともしません。ペット病院へ運び込もうかとも思ったのですが、親も知っていることだし、野生の世界にいらぬ干渉は禁物と、とにかく様子をみることにしました。
夕方になっていつのまにか子カラスの鳴き声もしなり、無事巣に戻れたものと思っていました。

その晩は夜を徹しての猛烈な風雨で、朝になってやっと風も静まり、庭に一面に散った落ち葉と折れ枝を片づけていると昨日の子カラスが植木鉢の隅にうずくまっているではありませんか。
昨夜はとうとう巣に帰ることができずに、あの強い風雨に耐えてわが家のどこかで一夜を過ごしたのです。
あきらかに昨日より衰えた様子で、そばに寄っても頭をこちらに向けるだけで、警戒心を起こす気力さえないようです。
起きてきた孫のE子は、ずる賢く手をやいているカラスが、弱々しく逃げもせずうずくまっているのを見て、可哀想と思う気持と、まだうちにいてくれた嬉しさがない交ぜの興奮状態です。

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E子が食パンのクズを手のひらにのせてやると、よほど空腹だったのか素直に啄みますが、まだ固形物を食べることに馴れていないのか上手に呑み込むことができません。ついに見兼ねてパン屑を細かく砕いて牛乳で溶かして空缶に入れて前に置いてみました。すると突然親鳥が舞い降りてきたのです。子カラスはこの時とばかり大きな声で叫んで親鳥にすがりつこうとします。ところが親鳥は一瞬子ガラスに注意を向けたものの、なんと缶の中の牛乳パンを食べはじめ、食べづらいとみるや缶ごとくわえて飛び去ってしまったのです。
哀れな子カラスを置き去りにして、なんと薄情で下品な親カラス奴!

その日は結局一日子ガラスはうちの庭でうずくまり、時おり親鳥が近づいたときだけ弱々しくも必死で救いを求める声をあげていましたが、体力を温存していたためか、夕方になってやっと庭木の枝まで飛び上がり、暗くなる頃には姿を消しました。
果たして無事に巣に戻れたかは定かではありませんが、多分・・・と思っています。

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このはぐれ子カラス騒動では、童謡の ♪かーらーす、なぜなくの、からすはやまに、かわいいななつの こがあるからよ・・・♪ とはまったく異なったカラスの世界を垣間みてしまいました。
傷ついたわが子を押しのけて自分の食欲を満たす親鳥の行動をどうみたらよいか。専門知識のない身には短絡に評価できませんが、いずれにせよ、小さな命はなによりも尊いと、甘やかすだけ甘やかす人間とは異なり、あのカラスの子はたとえ子供といえども環境に適応できないものは生き抜くことはできないという厳しい自然の掟を身にしみて知ったはずです。
薄情で残酷にみえても、あの親ガラスは人間の親より賢明なのかもしれません。
とはいえ、あのいたいけない子カラスも、このような苦境をくぐりぬけることで、ずる賢く、無作法ないたずらカラスに成長するとなると少し複雑な思いではありました。

 
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by love-all-life | 2012-06-22 18:28 | カラス | Comments(0)

カラスはどれほど可愛いか 3

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1年ほど前「カラスはどれほど可愛いか」というタイトルで2度ほどブログを書いて、近くに生息する夫婦(と思います)のカラスの観察日誌のようなものをやってみようと思い立ちました。それは四六時中うちの界隈を徘徊している彼らを不愉快なヤツと決めつけないで、同郷の友として彼らの美点を探ってみよう、できれば仲良くできないだろうかと考えたからでした。
ところが彼らとのコンタクトの手始めに餌付けをしようと思っていた矢先、同居の長男の嫁のTが食事の余ったパンなどを与え始めたのです。それでこちらの餌付けは機先を制せられてしまい、観察といってもTが食べ残しを与えるのを横目、すがめで眺める感じになって、そうなるととどうしても彼らの美点より欠点のほうが目につくということになってしまい、「カラスはどれほど可愛いか」のネタになるような発見がなくて1年経ってしまいました。


さて、この季節になると、気持よく晴れた日には庭で朝食をとることがよくあります。キッチンで用意した食事をお盆で庭のテーブルに運ぶのですが、気をつけていないとテーブルを離れた瞬間にカラスに食物をさらっていかれるのです。いつも誰かはテーブルにいるか、新聞紙などを被せておくようにこちらも注意する習慣が身に付いています。
しかし今朝はうかつでした。食事を終えて食べ終わったものを下げて家に入って10分ほどして再び庭に出てみたら、辺り一面に白い紙片が散らばっています。カラスが片付け忘れたティシュボックスからティシュを一枚一枚取り出してはまき散らしたのです。

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以前にも何回か同じことをされています。最初はカラスが食べ物と間違えて中味を食べようとしてティシュを摘みだしたのだと思いました。なんだカラスが賢いといってもやはりその程度の知恵しか持ち合わせていないのかと思ったものでした。
しかしこれが何回もくり返されるとなると話が違ってきます。彼らはティシュボックスのなかが何かすでに知っているはずです。では何故?  面白がっての遊び心からか、悪意のあるイタズラかどちらかでしょう。どうも後者のように思えます。
エサはくれないのに自分たちだけこれ見よがしに庭先で食事をとるイマイマしい老夫婦への仕返しに違いありません。
そうか相手がその気ならこちらの意識も変えざるを得ない。もう「カラスはどれほど可愛いか」などというタイトルは返上して「カラスはどれほど悪賢いか」にしようか。いやそんなにムキになったら自らをカラスのレベルに身を貶めることになってしまうと反省するなど、心が揺れる一日になりました。
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by love-all-life | 2012-05-09 11:20 | カラス | Comments(0)

カラスはどれほど可愛いか 2

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人はスズメやウグイス、メジロ、文鳥といった小さな鳥をほとんど例外なく可愛いと思い、それらの鳥が身近にいると幸せとさえ感じます。ハトは決して小鳥というほど小型ではありませんが、神社などですぐ近くに降り立ちヨチヨチと近寄って来たりすると、自分が信用されているようで、ついつい気をよくしてエサをやってしまいます。なかには迷惑がる人もいますが子供たちは大喜びです。

翻ってカラスを好きと云う人はいません。ごくたまにカラスを飼っている人もいるようですが、世間はそういう人を何となく「変な人」とみてしまうのではないでしょうか。
なぜカラスはこれほど嫌われるのか。
その理由のひとつはカラスのもって生まれたフィジカルな特徴からくる、いわれなき偏見でしょう。
大きさや形が、可愛いと感じさせることを阻んでいることもありますが、何といってもカラスが損をしているのは黒という色でしょう。黒は心理的にも社会的にも不吉、不安、暗いといったイメージと強く結びつくからです。
さらに、あの「カーァ」という大きな鳴き声も、なんと無神経なヤツ、下品なヤツというイメージを人に与えてしまう大きな要因でしょう。
ときには二羽が身を寄せ合って小声で「グルル、ルル」とか「コゥ、ウウ」とか鳴いて、細やかな情を示し合っているかのような場面もありますが、かえって薄気味悪さを感じてしまうのは、こちらがカラスに抱いている悪者イメージがよほど強いからでしょう。

カラスにこれほどの悪者イメージを与えてしまったもうひとつの理由は、いわずと、生ゴミをあさり、道路を汚くちらかすカラスの傍若無人の迷惑行動であり、さらにその対抗策をことごとく見抜いて裏をかくズル賢さでしょう。

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私たちが愛おしむ小鳥は、小さくて弱々しく、かわいらしいキレイな声で鳴き、時たま姿を見せては、もっと見ていたいと思うときにはスっと姿を消し、こちらに何の被害ももたらさない・・・。
カラスの存在はまさにこの対極にあるのです。
つまりキタナイ、ウルサイ、ナマイキ、ズルイ、キモイ、クライ・・・こんな形容詞が真黒な羽の衣を纏って空を飛んでいるようなものです。
こんなカラスを「カワイイ」と感じるようになるには、余程の手練手管を労するか、こちらが「変な人」になるしかないのでしょうか。


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ところで、一時韓国に住んでていたとき、カッチという、日本では九州あたりだけに生息し、カササギとして知られている黒い鳥をよく見かけました。韓国の国鳥とも言われていて、日本のカラスよりひと回り小ぶりですが、ちょっと見はカラスによく似ていて、分類上も同じカラス科に属します。日本のカラスと違うところは、胸と羽の一部が白いことと尾羽根が長めです。しかしいちばん大きな違いは、なんと言っても人びとがカッチに対して抱いているイメージです。
カッチは韓国で縁起の良い鳥とされているのです。最近は増え過ぎてやや迷惑がられているとも聞きますが、公園の木立や街路樹などにカッチが飛来すると人びとは心なしかホッとしたような幸せな気持になるように見えます。カッチのほうもそういう人びとの気配を知ってか警戒の素振りをあまり見せません。

うーん、何かこのへんにカラスとの関係改善のヒントがありそうな気がします。
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by love-all-life | 2011-03-26 18:06 | カラス | Comments(0)

カラスはどれほど可愛いか 1

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わが家の界隈に住み着いて暮らしている夫婦カラスがいます。塒(ねぐら)は道路を挟んだ向かい側の木立ですが、日中はほとんどわが家のコナラの枝を拠点として採餌をしています。わが家が高台にあって見晴らしがよいのと、家人が小鳥に与えるエサや、時折リスに与えるパン屑などを横取りできるらでしょう。
なんとか横取りさせない工夫はないものかとカラスを観察していると、あちらもこちらを実によく観察しています。こちらが彼らを見ているときは必ず彼らはこちらを見ています。
部屋の中で本を読んでいてふと窓の外に眼を向けると、外の枝に止まったカラスがジーっとこちらを見ていたりしてドキッとします。

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相手が動物とはいえ、この世に同じタイミングに同じ場所に生息しながら、お互いに憎しみと警戒だけが行き交う関係はというのは気持のよいものではありません。
近頃になって、いっそのこと関係改善の道はないものだろうかと考えるようになりました。
しかし考えてみると、もともとここに住んでいたのはこちらだし、そこへカラスがあるとき現れて、小鳥のエサを横取りするわ、菜園とも言えない狭い畑に僅かに成長したトマトがやっと食べごろになるときまって略奪するわ、水瓶のメダカを狙うわのイタズラのし放題で、こちらの防御対策をことごとく見破る賢さを身に付けているとあっては・・・、
なにもこちらからすり寄って好意を示す必要があるのだろうか。そもそも彼らがなにかこちらにとってよいことを一つでもしてくれたことがあっただろうか。
いやいやそういう思考回路では決して歩み寄りの道に近づくことはできないぞ。
ではどうすれば・・・?

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ということで、これから折りをみて『カラスは友人になり得るか?』、こんなテーマで、わが家にくる夫婦カラスを相手に実験的に取組み、その過程をこのブログで綴ってみようかなと企んでいます。あえなく挫折という結果になりそうで、とてもご期待ください!というほどの自信はありませんが・・・。
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by love-all-life | 2011-03-21 14:59 | カラス | Comments(0)