HAND & SOUL

カテゴリ:「モノ」がたり( 137 )

HOND & SOUL「モノ」がたり 7 <LOVE STONE>


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「例えば、諸君が野原を歩いていて一輪の美しい花の咲いているのを見たとする。
見るとそれは菫の花だとわかる。
何だ菫の花か、と思った瞬間に、諸君はもう花の形も色も見るのを止めるでしょう。
諸君は心の中でお喋りをしたのです。
菫の花という言葉が、諸君の心のうちに入ってくれば、諸君は、もう眼を閉じるのです。
それほど、黙って物を見るというのは難しいことです。
菫の花だと解るという事は、花の姿や色の美しい感じを言葉で置き換えてしまうことです。
言葉の邪魔の入らぬ花の美しい感じを、そのまま、持ち続け、花を黙って見続けていれば、花は諸君に、かって見た事もなかった様な美しさを、それこそ限りなく明かすでしょう。
画家は、皆そういう風に花を見ているのです。」
小林秀雄の言葉です。

画家のように、幼児のように、素直にものを見て、素直に「美」を感じる心をもちつづけたいと思います。

先日沼津の海岸に行ったとき小石を拾ってきました。
どれもが丸くて滑らかで、優れた画家だけが再現できるような微妙な色合いで、ひとつとして同じものはありません。
前に(4月3日)ご紹介した「石文」を思い出しました。
「やすらぎ」とか「安心」とか「謙譲」とか「快い」といった気持ちを伝えるメッセンジャーのように見えたからです。

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小林秀雄の言葉に反するつもりはありませんが、スタンプで「L・O・ V・ E」と入れてみました。
裏に「Y・O・U 」と入れてもいいし、「E・A・R・T・H」と入れてもいいし、「M・O・T・H・E・R」と入れてプレゼントに添えたら、ちょっとかわいい「気持ちのギフト」になると思ったのです。
「M・E」と入れて、じーっと自分で持ち続けたいと思う人もいるかもしれません。

もちろん自分で自身の素敵な石をみつけるに越したことはありませんが…。

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LOVE STONE 1個 ¥200〜¥500
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by love-all-life | 2009-06-02 10:06 | 「モノ」がたり | Comments(2)

HAND & SOUL「モノ」がたり 6 <6段入れ子家具>

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箱根・宮の下のお土産屋さんで、これが最後ですと言われて求めた箱根細工の入れ子の<家>です。裏に見本と筆書きがあって、うちの宝物の一つです。
入れ子の箱根細工は箱根土産の定番のひとつでしたが近頃はあまり見かけなくなりました。
ほかにこけしや達磨の入れ子などがあって、箱根に来たロシアの宣教師が持ち帰って生まれたのがマトリョーシカだと言われています。

昔、お花見というと、今のように山ほどのプラ容器をその都度捨てるようなことはしないで、何代も伝わる漆塗りのお弁当箱に沢山のごちそうをいろいろな箱に詰めて行き、帰りは入れ子のひとつの箱にして持って帰るという智恵と文化がありました。
そんな先人の知恵から生まれたのが、Designed byバアバの多機能入れ子の家具です。

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飾る、収納する、腰掛ける、足を乗っける、踏み台にする…、用途、使い方は変化自在、不要なときは50×50×25cmの箱になってしまします。
材料は、野地板という屋根の下地などにする最も安い、表面もざらざらな杉板だけを使います。
板の厚さが12mmなのでとても軽くしかも構造的に丈夫です。白鴎が座っても大丈夫でしょう(多分)。

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表面の仕上げは、ダークグレーのアクリル系塗料を下塗りした上にミルキーホワイトを塗って、乾燥してからサンダーをかけると、上の塗料がとれて下地がでてきますが、板の表面が粗面なので適度に木目が見えてきます。
塗装でカバーしながらも自然の表情が見える独特の味わいがあります(多少自画自讃)。
ジイジはこれを「ドブ板家具」などと言いますが、バアバは「リンゴ箱家具」と呼んでいます。
いずれにしてもどこかで二人のノスタルジーと結びついています。

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6段入れ子家具 1セット ¥38,000
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by love-all-life | 2009-05-28 20:35 | 「モノ」がたり | Comments(0)

HAND & SOUL「モノ」がたり 5 <拾った顔>


今やジイジ&バアバの生活は、金土日がショップDAYで月から木がワーキングDAYとなりました。
そこで今週火曜日にちょっと足を延ばして沼津の千本浜に行ってきました。流木など作品の素材探しです。
富士山と松林を背負って駿河湾にのびる長い海岸線は小石なので漂着物がきれいなのです。
成果はあまりパッとしませんでしたが、どこに行けば必ず何かがあるというものではないのがこの作業なので慣れっこになっていますが、傍から見たらわれわれは老いた二人のクズ拾い以外には見えないでしょう。

この日のベストゲットはワイヤーの巻き取り輪(正式にはなんて言うのか知りませんが)の板でした。
以前にシンガーミシンの脚とこの手の板を組み合わせてつくったテーブルが売れてしまったので、少し残念に思っていたところでした。

ところでこの円板、テーブルトップとして拾ったつもりですが、向きによってなんともユーモラスな表情で何か言いたげな面持ちです。

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何かが見方によって顔に見えるということはよくあります。「見立て」というのでしょうけど、日本人は昔からこの見立てが好きです。
庭に石と砂利を置いて大海原に見立てるとか、噺家が手拭を箸や煙管に見立てるとか、全国になんとか富士が存在するとか…。
なかでも顔に見立てるというのは、見立ての一番初歩でしょう。
丸い点が二つ並んでいれば何でも顔に見えてしまいます。

大学で学生とよく顔の見立て遊びをしました。夏休みにそれぞれ思いがけない「顔」を写真に撮って持ちよるのです。

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複眼の視点、イマジネーションの拡張、頭の柔軟性の訓練などいろいろ理屈はつけられますが、なにより楽しい視覚遊びとして結構人気がありました。

拾ってきた円板、テーブルにするのは少し後回しにして、しばらくは店の外壁に置いておいて近所の子供たちを楽しませてやろうと思っています。

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by love-all-life | 2009-05-24 00:55 | 「モノ」がたり | Comments(2)

HAND & SOUL「モノ」がたり 4 <陶片のブローチ>

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海岸に出たら広々した景観を愛でるのもいいですが、ミクロの景観にもうひとつの楽しみがあります。
せこせこ動き回らないで一カ所に腰を下ろして目の下の1メートルくらいの範囲をじーっと目をこらして見ましょう。
雑草という草がないように、砂というものが実は小石や、貝のかけらや、プラスチックの破片などの集合体であり、ひとつひとつの粒子がみんな独特の色と形をもっていて、砂の色をしたものはひとつもないことに気づきます。
たくさんのハッとする色、不思議なかたちに出会います。
そんな楽しみを覚えた人たちのなかには、それぞれ自分の宝物を決めてコレクションをはじめる人も少なくありません。
シーグラス、桜貝、流木、丸い石、ガラス瓶…。

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長年の友人である本井富士子さんのコレクションアイテムは陶片です。
日本最古の築港跡といわれる鎌倉・材木座海岸の東端200メートル沖に小石の河原のように見える和賀江島では、いまでも宋の陶片が出るといわれますが、
本井さんの対象はそんないわくのあるものではなく、ごく普通の茶碗や皿など瀬戸物の破片です。
角やエッジは波と砂のヤスリにかけられてやさしい形になっていますが、釉薬の白と青絵の部分がくっきりと残っていて、当然のことですがひとつとして同じものはありません。

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彼女は気に入ったものを選んで、止め金具をつけてブローチをつくります。
ブレザーの襟元につけたり、ベストにごちゃごちゃと沢山つけてみたり、楽しみ方はもちろん自由ですが、カジュアルでいて品がよく、かすかな潮風も感じられて、どんなジェムストーンにも負けない豊かな表情と存在感があります。

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本井富士子作「陶片のブローチ」  1個 700円 5個セット2,500円
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by love-all-life | 2009-05-21 17:55 | 「モノ」がたり | Comments(1)

HAND & SOUL「モノ」がたり 3 <流木の魚>


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もう20年ほど前の話ですが、長いサラリーマン生活からフリーになったジイジ、
暮らしの時間配分を自分でコントロールしなければならなくなったので、朝の海岸までの散歩を日課にすることにしました。
時間と気分にゆとりがでたせいか、それまで目に留めなかった流木の味わいある質感と美しさに気づき、拾って帰るようになりました。そして始めたのが流木の魚づくりです。
多分無意識に選んでいるのでしょうけど、どんな流木も眼と尾ひれをつけるだけで魚に変身するのです。
それが面白くてずいぶんたくさんの魚をつくりました。

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流木のなかには、落ちてるそのままの姿がすでに魚のかたちをしているようなものもありますが、
面白いことに、姿が魚っぽくないものほど思いがけない面白い結果が得られます。

銀座、池袋、横浜、上田、仙台、長岡…、ずいぶんあちこちで展示もしました。

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お店をオープンして4日目の5月4日、入ってこられたお客さんが「これによく似た魚、見たことがあるわ」と言うので聞いてみたら、その方は大阪の方で、ジイジが15年くらい前に志摩のTリゾートホテルのオープンに合わせて、ロビーや廊下の展示品として依頼されてつくった魚を見ていて、印象深かったので覚えていると言うではありませんか。
ジイイジは昔の作品がいまだ健在だったことが判明して喜び、
その女性は好きな作品の作者に会えてうれしいと言ってくれるしで、
とてもサプライズ&ハッピーな出会いとなりました。
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by love-all-life | 2009-05-13 21:15 | 「モノ」がたり | Comments(0)

HAND & SOUL「モノ」がたり 2 <ミシンの脚のテーブル>


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ジイジ・バアバが子供の頃は物資が不足していた時代で、母親は家族の衣類を家でつくるのが普通でした。
洋裁ということになると、アメリカ製のシンガーミシンが最もポピュラーだったように記憶しています。
昨今の電子仕掛けの卓上ミシンと違って、いかにも縫う家具といった感じで、装飾的な唐草的模様の鋳物の脚が特徴でした。
上の写真は1909年版のシアーズ・ローバックのカタログの図版からの写真ですが、
ジイジ・バアバがそんなに歳をとっているわけではありません。(念のため)

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そんなシンガーミシンの脚を大分前に古物屋で買って、庭に錆びたまま放ってありました。
それを持ち出して、これまた道ばたに放ってあったものを拾って来た電線の巻き取り具(?)と合体してテーブルにしました。

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テーブルトップの下に手製の中間棚を、最下部には鉄工所でつくってもらった、丸穴がある止め金具を取り付けて、パラソルが立つテーブルに仕上げました。

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このテーブルは、逗子の作詞家Nさんのお宅にお嫁入りが決まりました。
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by love-all-life | 2009-05-12 22:03 | 「モノ」がたり | Comments(0)

HAND & SOUL「モノ」がたり 1 <クマのクマサン>

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木彫りのテディベアを作るのが大好きです。
一つ彫るのに2ヶ月の時間と、沢山のバンドエイドが必要です。

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小さな個展をしたときに、アルバイトをしながら大学へ通っている若い方が、何回か来て下さり「やっぱり連れて帰ります」と買ってくれました。
嬉しいやら申し訳ないやらで「後からソノクマのクマチャン彫って送りますネ!」とお約束したのが「クマのクマチャン」誕生の理由です。

ソノクマのクマチャンもご希望があり、今は「クマのクマのクマチャン」を作っています。

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本当に皆さまありがとう。



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バアバこと内藤三重子
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by love-all-life | 2009-05-09 22:49 | 「モノ」がたり | Comments(4)