HAND & SOUL

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J. H. 君

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このブログでくり返しているようにHAND & SOULは本当にちっぽけなお店ですが、その商いとなると店のサイズにさらに輪をかけたような小ささです。
「店」は「見せ」なんだと、お客さんとの出会い、触れ合いを楽しむことにしています。
そう割り切ると、店のスケールをはるかに凌ぐ、多様な出会い、思いがけない触れ合いの連続で、金,土、日を楽しむことができます。

J.H.君は今日もやってきました。彼は韓国生まれで、11才でアイオワ州の家庭にアダプトされ、建築を学んで、いまはニューヨークのブルックリンに住んで絵を描いています。ウェブで知った日本人のミニチュア・アートの作家に惹かれて、9月4日までの6週間ほど東京の下町に下宿してミニチュア・アートを学んでいます。
日本語はだめですが小津安二郎のファンの彼は、先週の土曜日に北鎌倉駅で下りて右も左も分からないままハイキングコースを迷い歩いたすえ、閉店間際の店にふらりと姿を現しました。心細くなっていた時ちらりとかわいい赤い家が見えたので、何だろうと立ち寄ったのです。鎌倉やOZUの話をしたり、彼の身の上話を聞いたりしていたら、アッという間に閉店の時間になったので、よかったらまた来週来たらと軽く言って別れたのですが、今日また本当にやってきました。
今回は、彼が旅行の間毎日描き貯めている葉書サイズの作品をもってきてくれました。とてもかわいらしくて、都会的センスで好感がもてました。先週の鎌倉行のあとの作品は小津安二郎のオマージュになっていて、微笑ましい作品でした。長期滞在するならHAND & SOULに置いてもらいたいと思いましたが、来週帰国なので1枚だけ記念に買おうとしたらプレゼントしてくれました。内心は小津安二郎のオマージュものがほしかったのですが、彼も手放したくないだろうと思って遠慮しました。できれば来年また来日したいと言っていたので、その時はHAND & SOULの「モノ」のひとつになって欲しいと思っています。

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by love-all-life | 2009-08-30 10:36 | 文芸・アート | Comments(0)

HAND & SOUL「モノ」がたり 19 <秋風吹いたら ・・・ミノ虫さん>


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暑かったり、心細く冷えたりする秋口・・・ちょっと何かはおるものを作ってみました。

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先日L.A.に行き、ベニスビーチの Abbot Kinney Blvd. を歩いていたら黒人のお兄さんが、古着を切り刻んだ布を、サルサのリズムにのって、ミシンでつなぎ合わせて、えらくセクシーなドレスを作っていました。

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マネをしてみようと、帰国するなり、アンティークボタンなどを取り出して、残り布と古着で作ってみましたが、サルサのリズムもセクシームードも消えてしまい、カサコソ「ミノ虫さん」ジャケットになってしまいました。やっぱり日本人だナァ!

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ミノ虫ジャケット ¥5,000   ミノ虫パーカー ¥8,000
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by love-all-life | 2009-08-23 20:34 | 「モノ」がたり | Comments(1)

HAND & SOUL「モノ」がたり 18 <メッセージ額>


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いつだったか、白州正子がかって住んだ「武相荘」の写真を見ていたら、柱に「犬馬難 鬼魅易」という短冊がかかっていました。
「犬馬難 鬼魅易」とは、古代中国の「韓非子」に、皇帝が絵師に「描くのに最も難しいもの、最もやさしいものは何か」と尋ねたところ、絵師が答えて「犬馬は難く、鬼魅は易し」と答えたという故事で、そのあたりにいくらでもいる犬や馬のようなありふれたものを描くのは難しいが、奇怪な想像物なら誰にでも描けるというような意味です。
白州正子がどのような気持ちでこの句を掲げたかは想像するしかありませんが、多分、真の「美」は人の眼をそばだてるような派手なものではなく、ごく平凡なもののなかに存するというような意味ではなかったかと思います。そう思うと、この言葉に白州正子という人の生きざまや美学が収斂されているように感じられるのです。

人は、「こうありたい」と願ったり、「こうするぞ」と誓うとき、そのことを胸に刻むだけではなく、言葉として眼に触れるところに掲げます。いわゆる座右の銘ですが、形式はさまざまで、墨痕鮮やかに大書したり、鉢巻に朱書きしたり、ノートの最初のページに書いたり、手のひらに書いて握りしめている人もいます。


HAND & SOULでは、小さな石ころにアルファベットでスタンプの文字を入れて額にしたカタチにしてみました。

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メッセージは“ LESS IS MORE ”
直訳すれば「より少ないことは、より多いこと」ですが、削ぎ落とすことがより大きな効果を生むという、表現者が最もこころしなければならないことを示す言葉でもあると同時に、「過ぎたるは及ばざるが如し」、芭蕉が俳句の極意とした「いひおへてなにかある」、禅の「吾唯足知」(われただたるをしる)と言うような気になる言葉を包含していて、さらに心の豊かさ、精神的満足を目指すプラス指向がよいと思います。

人類の懸案である「持続可能な地球」の実現のためには、この言葉を指針とするしかないとさえ考えています。


そこでもうひとつの額は”LOVE EARTH”としました。

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LESS IS MORE額 60×4.5cm ¥15,000   LOVE EARTH額 60×11cm  ¥15,000
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by love-all-life | 2009-08-22 18:15 | 「モノ」がたり | Comments(2)

カマクラある記 5

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6時起床、快晴。
早朝の冷気と、庭に仰向けになって転がっているアブラ蝉の姿に、ヤヤッ、やっと夏が来たと思っていたら、もう秋かよと、なんだか訳もなくあせりました。

散歩。
いつもの海岸へのコースですが、今日はビジュアル・ハンティングの獲物を和風の門構えと、道すがらの草花に絞りましょう。


HAND & SOULから海岸までは、住宅地→市街地→住宅地→海岸と、旧市街を南下することになります。

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家並みの間を車がやっとの細い道をくねくねと歩くのですが、純和風の古い門構えが結構残っていて、その多くがしっかりと手入れされている立派な現役です。鎌倉らしさのひとつの側面でしょう。

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もちろん大部分の家は洋風、プレファブ住宅、商家などですが、それぞれがどこかしらにこだわりを感じさせる部分をもっていて、散歩者の目からは、それは表札だったり、門灯だったり、玄関や垣根の植込みだったりします。

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夏場は春に比べて花の種類はやや少なめですが、それでも道ばたの玄関先の鉢や植え込み、垣根の上から顔を出す花々、生垣にからむつる花など、その気になって見ると種類も表情もとても多様です。

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ガーデニングの成果を誇っているようなお宅もありますが、多くは家主とあまり関係なく草花が勝手に枝やつるを延ばし花をつけているように見えます。でもそれも自然の趣を大切にという計算づくなんでしょう。

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もっと花の名前や生態に詳しかったらなぁという思いと、いや、きれいなものを素直にきれいと感じればそれでいいじゃないかという開き直りが交錯しながら、てくてくと歩きます。

由比ケ浜海岸で折り返し、若宮大路を廻って帰宅。7,833歩、でした。
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by love-all-life | 2009-08-17 20:51 | カマクラある記 | Comments(0)

HAND & SOUL「モノ」がたり 18 <ANGEL CHAIR>

赤ちゃんはみんなかわいい。
ライオンも、クマも、ウサギもカメも、ニワトリも、ワニだって、赤ちゃんはかわいい。
そして、椅子の赤ちゃんもかわいいのです。


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4年ほど前でしょうか、小千谷(新潟)から十日町への街道筋の古物屋さんで、
幼稚園児の椅子を見つけ購入しました。わかいかったからです。

それ以来、その椅子から寸法をもらって、色をつけたり、形に変化を加えたり、羽をつけたり。
いろいろバリエーションをつくっています。題して「エンジェル・チェアー」。

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いつか「ANGEL CHAIR展」をやろうと思っています。


現在、HAND & SOULに置いてあるのは、この2つのANGEL CHAIRです。

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天国があれば地獄も・・・ということで、こんな「DEVIL CHAIR」も。

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ANGEL CHAIR W24×D29×H43cm  1脚 ¥15,000
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by love-all-life | 2009-08-15 20:30 | 「モノ」がたり | Comments(4)

HAND & SOUL「モノ」がたり 17 <海藻の額>

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海岸歩きをしていて面白いと思うのは、毎日落ちているモノが異なることです。
あれを拾っておけばよかったなと思って翌日その場所へ行っても、波がさらうのか、カラスが持っていくのか、もしかしたらライバルがいるのか、不思議と同じモノが残っていることはまずなく、シマッタ拾っておけばと口惜しい思いをします。
海の漂着物はまさに一期一会なのです。そこで、いまこれを拾っておかないともう出会えないと、ついつい余計なものまで拾って帰ることになりますが、拾い損なったモノは宝に思えても、拾ってきたものの大部分はいつまでたってもゴミでしかないというのが現実です。

波打ち際で最も多く目にするのが海藻の類いです。日によっては海岸一面を覆うほどの量が打ち上げられます。種類も多様ですが、こちらはかろうじてワカメくらいしか区別ができず、昆布と海藻がどう違うのかもよく知らないというレベルです。それでもたったいま打ち上げられてつややかに光る美しい葉片の色にハッとすることはしばしばですし、波打ち際から離れて、からからに干からびた昆布(だと思いますが)のフォルムの造形美に刺激を受けることもあります。

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今回の「モノ」は、大分以前に日本海の海岸で拾った、面白い枝振りの干からびた海藻を額に入れてみました。海藻だけで十分美しいのですが、それにプライスカードをつけて作品というわけにもいかないので、多少でも海藻を引き立てるような額をと苦心しました。額の水玉模様は枯枝をスライスして接着し塗装をしてからサンダーで表面を削りだしたものです。
ん〜、やっぱり主役の足を引っ張っているかな。

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海藻の額  タテ39×ヨコ31×奥7cm ¥20,000
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by love-all-life | 2009-08-10 17:13 | 「モノ」がたり | Comments(3)

カマクラある記 4

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旧市街の鎌倉は海に開いた部分を除いて、入り組んだ丘陵が周囲をぐるりと囲む地形ですが、その山裾の谷の部分を「谷戸(やと)」と言います。机に置いて開いた手のひらの指と指の間のような平地の部分です。その昔は畠だったところに今は人家が浸食していますが、今も昔も人の暮らしと自然の接点であることにかわりはありません。
鎌倉のお寺の多くがそうした森閑とした谷戸の懐に位置しています。お寺の境内を含めその周辺の自然と調和した人家の佇まいは「鎌倉らしさ」のひとつの典型でしょう。

HAND & SOULの裏山の源氏山公園から、丘陵の尾根のハイキングコースを北鎌倉方面の谷戸に下り切ったところに浄智寺があります。鎌倉五山の4位の古刹で、四季折々の花が楽しめる禅寺ですが、その浄智寺に到る谷戸の道に沿った人家の佇まいは、かっては日本のいたるところにあって、いまは失われてしまった美しい「日本の住まい」の姿をそのまま残していて、ジイジが大好きな散歩コースです。

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住宅地でありながら、主役はあくまで自然、人はちょっと場所をお借りしているという風情です。
散歩ですから、見えるのはあくまで背景としての谷戸の緑と、家の門構え、生垣、生垣越しの庭木や屋根といった外観ですが、色彩も素材も簡素にして控えめ。われわれが皆こころのどこかに持っていながら、どこにあるかさえ忘れてしまった日本人固有の美意識を、ちょっと恥ずかしい気持ちとともに蘇らせてくれます。

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by love-all-life | 2009-08-08 08:51 | カマクラある記 | Comments(0)

HAND & SOUL「モノ」がたり 16 <ボートハウス型バードハウス>

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エー、皆さん日本国の海岸線はアメリカの1.5倍、中国の2倍以上あるのをご存知ですか?
ちょっとびっくりでしょ。まぁ中国なんかは考えてみれば、国土は広大でも海に接している部分は少ないから、そんなことがあり得るわけですが、この数字、小さい日本がいかに世界に冠たる海洋国家であるかを示しています。
たしかに魚好きだという点でその名に恥じない漁業国家ではありますが、ウォーター・フロントやマリンスポーツの楽しみや海岸線の景観ということになると、お役所は防災の方ばかりに目が向いていて、海岸線を資源として考えるという発想がきわめて乏しいと言わざるを得ません。
こんなところにもプラスを伸ばするよりマイナスをミニマイズする官僚支配の日本の構造がちらりと見えます。

日本の海岸ってテトラポットだらけで本当に汚いと思います。ゴミが多いのは、漂着物を制作素材とするこちらにとっては有難いという面もありますが、もうひとつ言わせてもらうと、海によって生計をたてている人々の海岸の使い方が汚いなぁと感じることが多いのです。国が国だから民も民なんでしょう。
海岸を観光資源とする国家戦略をもって100年くらいすると何とかなるかな。

可愛さあまって憎さ何とかで、つい話が湿っぽくなりましたが、今回の「モノ」はボートハウス型バードハウス(題名からして言い訳がましいですが)なんです。
海洋国家の小鳥ちゃん用です。スズメやメジロをイメージしています。デッキにエサと水の入れ物を置くつもりでつくったのですが、エサを置くデッキ部分がちょっと狭くなってしまって、エサ台としては機能しないかもしれませんが、インテリアの小物として飾ってもらえればと思っています。

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ボートハウス型バードハウス W24×D30×H17cm  ¥10,000
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by love-all-life | 2009-08-05 19:35 | 「モノ」がたり | Comments(1)

カマクラある記 3

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「カマクラある記」とい言うには憚れる、HAND & SOULから歩数にして250歩たらずのところに「銭洗弁天」があります。正式には「鎌倉銭洗弁財天宇賀福神社」といいます。

鎌倉の観光名所といえば大仏さん、鶴岡八幡宮、円覚寺、建長寺などが代表格ですが、弁天さんは規模で言えば、それらのBIGには比べようもないほど小粒ですが、参詣者の数では遜色ないほど多くの人が訪れます。
その理由は言うまでもなく、弁天さんの清い湧き水でお金を洗うとお金が増えると信じられているからです。
北海道や九州から飛行機でやってくる人もいるそうで、そんなうわさがさらに人を集めているようです。
休祭日と巳の日はあまりに人出が多いので、弁天さんに到る道は車輛規制になるほどです。

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竹のザルに入れたお金を、池の水を柄杓で掬って洗い清めるのですが、硬貨を洗う人はむしろ少数派で、大抵は紙幣です。
濡れた万札を一枚大事そうにハンカチで拭う人、束の万札をビニールで包んで何回も洗う人、なかには株券や預金通帳を洗う人も少なくありません。
人の欲がとても素直な形で現れるところです。
当然のことながら、経済不況は弁天さんにとっては福の神です。

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HAND & SOUL も商売を始めたのですから、当然のことながら弁天さんのご利益(ゴリヤク)に大いに預かりたいところですが、実は残念ながらあまり期待できないのです。
というのは、たしかにHAND & SOULのすぐ近くの参道は相当の人通りですが、その人たちはお金を増やすことには関心があっても、使うことにはあまり関心がないからです。
実はもうひとつ期待薄の理由があるのです。
うちの息子(現在44才と42才)たちが小学校にあがる前、与えた憶えのないお金をもっていたので問いただしたら、弁天さんの池の底に落ちている小銭を拾って来たことが判明、バアバ(当時はママ)が慌てて弁天さんに連れて行って平謝りに謝ったのですが、それ以来何度お参りしてもどうもご利益がないのです。
その時の罰(バチ)が当っているのではないかと思っています。
神さまが与える罰にも時効があってくれればと、それだけが切ない神頼みです。

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by love-all-life | 2009-08-01 19:35 | カマクラある記 | Comments(2)