HAND & SOUL

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HAND & SOUL「モノ」がたり 59 <アメリカン・カントリー風 腰掛け踏台>


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わが家は二世帯住まい。一世帯用の住居に二世帯が暮らしているので、台所はバアバと息子の嫁さんの共同作業場となります。もともと台所はバアバのスケールに合わせてつくられていますが、嫁さんはバアバより20センチ以上も長身です。なので流しの高さは嫁さんにはちょっと低いし、嫁さんが片づけた食器は往々にしてバアバには高すぎるところに仕舞われます。そこで嫁さんは腰が疲れると云うし、バアバは爪先が疲れると云います。この問題解決にバアバが思いついたのが「Step Stool」をつくろう!というものでした。

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20年ほど前ジイジとバアバがニューメキシコからアリゾナまでアメリカの中西部をドライブしたことがありますが、その折にバアバはアーリーアメリカンの暮らしの様式が随所に残るサンタフェがすっかり気に入ってしまいました。とりわけ家具とかキルティング類や食器やドアのつまみなど細々した暮らしのディテールがカタチになった道具類を雑貨屋などに立ち寄っては時間をかけて観察していました。その時の記憶のひとつが、古くなった納屋(Barn)の廃材でつくった、腰掛けにもなるし踏台にもなるStep Stoolです。
廃材を利用したものづくりなら バアバのお手の物。バアバのつくった「腰掛け踏台」はそれ以来わが家の台所で両主婦が重宝していて、嫁さんは整骨医から解放され、バアバは身長が50センチも伸び、めでたしめでたしとなりました。

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上がわが家の台所で使い古されたStep Stool、下は今回バアバがHAND & SOUL用につくったものです。

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アメリカン・カントリー風 腰掛け踏台  ¥10,000
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by love-all-life | 2010-09-30 14:24 | 「モノ」がたり | Comments(2)

HAND & SOUL「モノ」がたり 58 <YOUNG AT HEART>



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「宝石に興味ない奥さんをもって幸せね」とは、バアバがジイジになにかオネダリするときにジイジに恩着せがましく言う決まり文句です。
だからといってバアバが宝飾品に関心がないかというと決してそんなことはなく、ただ宝石の価値よりそれを上回る魅力をデザインに求めるのです。ですからバアバが欲しいというアクセサリーは、ときにはとてつもなく高価だったり、あるときはグリコのおまけのようなジャンクだったりします。当然のこととして高価なものには手が出ませんから、バアバの手許にはジャンクのような一風変わったアクセサリーばかりが残ることとなります。


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ここにバアバのお気に入りのネックレスがあります。1970年代にジイジが(まだジイジになるはるか以前ですが)ニューヨーク土産に買ったもので、ミラノから進出してマンハッタン東59丁目に開店したばかりのフィオリッチ(FIORUCCI)の店で見つけたものです。駄菓子のおまけのようなプラスチックのジャンクを数珠繋ぎにした安っぽさが魅力のキッチュなデザインです。
装飾品といえばエレガント、女らしさだった時代に、このネックレスがイメージしているのはいたずらっぽい遊び感覚であり、ちょっとした反逆精神です。それまでのものが周囲のため息を期待して着けるとすれば、これは着けた人の周りに笑いや会話がはじけます。イマ風に言えば「ヤバい」デザインというところでしょうか。
このネックレスをバアバがどれほど気に入ったかというと、今回つくった新作のネックレスがまさにジャンクスタイルなのです。ニューヨークみやげから半世紀近く、いまでは壊れて引き出しにしまい込まれていた古いネックレスはバアバの胸のなかではいつも現役だったというわけです。


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バアバが長年溜め込んだブリキのオモチャやドールハウスの小物やどこかで拾ったりしたわけの分からないモノたちが入ったガラクタの箱(バアバは宝石箱と思っていますが)や裁縫箱をひっくり返して遊んだ副産物としてのネクレスです。音のでるものや光を発するものも入っているんですよ。
たまたま今日の朝刊を読んでいたら、いま開催されている東京の玩具の見本市では、自分でいろいろなモノを寄せ集めてつくる手づくりアクセサリーグッズが大人気なんですって。ね!バアバはYoung at heartでしょ。


「Cute Junk」ネックレス  1つ ¥8,000

上のドローイング:アントニオ・ロペス(Vanity Cover)
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by love-all-life | 2010-09-16 09:36 | 「モノ」がたり | Comments(1)

HAND & SOUL「モノ」がたり 57 < LESS IS MORE>


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“LESS IS MORE”・・・この言葉をこの 小ブログで何度か使ってきました。小石にスタンプで押して店に並べたりしてもいます。お客さんから「これどういう意味ですか?」と聞かれることもあってジイジなりの翻訳をして説明したりしています。

”LESS IS MORE”は20世紀のモダニズムを代表する建築家ミース・ファン・デル・ローエが、自身の余分なものを排除したユニバーサルな建築についてのコンセプトを語った言葉とされています。
直訳すれば「より少ないことは、より多いこと」ですが、真意は「より少ない表現は、より多くを語る」という意味で使ってます。
古来寡黙を美徳とする日本人には、こういう発想は割合い受け入れやすいものでしょう。実際ローエは日本庭園の枯山水の表現哲学にいたく感心しています。

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「わずかな表現が結果的により多くの効果を生み出す」という考え方は、日本の表現のあらゆる世界の基本的な作法です。
芭蕉が俳句の極意を「いいおほせてなにかある」という言葉で残しているのがその適例でしょう。現代風には「全部言ってしまっちゃオシマイよ」とでもなるのでしょうが、言いたいこと全部を言わないで、受け手のイマジネーションと感性が加わることで、より大きく印象的に伝えるのが俳句だと言うのです。
広告づくりに長年関わったことがあるジイジにとっては、この発想こそ広告づくりの極意でもあるはずだと思いながらも、クライエントや上司からあれも言え、これも入れろの圧力に打ち勝てない口惜しさをイヤというほど味わってきただけに、これを成し遂げた表現に出会ったときの感動と敬意は一段と大きくならざるを得ません。

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しかしジイジが”LESS IS MORE”にこだわるのは、この言葉こそ表現の世界にと止まらずこれからの人々の生きざまを考えるキイワードでもあると思うからです。
「より少ないことは、より豊かなこと」とも訳せるこの言葉は、ものをたくさん持つことだけが豊さではないのだとに知り、清貧という言葉に爽やかな心地よさを感じながらもなお煩悩を断ち切れない現代人が座右の銘として欲しいなと考えるからです。
座右の銘がなぜ英語なんだという向きには「吾唯知足(われ唯足るを知るのみ)」という言葉もありますよ。


写真中:「LESS IS MORE」廃材の額        T190mm×W200  ¥6,000
写真下:「LESS IS MORE」竹の切り株のランプ   T190mm×W130  ¥6,000
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by love-all-life | 2010-09-09 18:39 | 「モノ」がたり | Comments(0)

HAND & SOUL「モノ」がたり 56 < HAND & SOUL Part 2 >


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HAND & SOULを訪ねていただいた方ならよくご存知の通り本当に小さな店なので、お客さんが3、4人も入ると「あッ、ごめんなさい」「すみません」って感じになってしまいます。
もともと自分たちが好きでつくり貯めた作品を置いて皆さんに見ていただこうとはじめたわけですから、こじんまりしたコージィな器がふさわしいと思っているのですが、それでもときには少し大振りの作品もできます。

今回のバアバがつくったのはアーリーアメリカン風のサイドテーブルとエントランス用腰掛けです。いずれも家具としては小ぶりなのですが店内に置くとなると結構場所をとってしまいます。

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こういう家具のようなものは、本当は暮らしの中に置いて見ていただくのが一番すてきな展示になると考えているのですが、大きくもない自宅に息子家族と同居ではそうもいかず、そこでサンルーム兼玄関になっているところに置いて展示スペースにするという苦肉の策を思いつきました。
自宅が店の裏の崖の上なので、店に並んでいる作品の他に家具系のものに興味のあるお客さんにはご苦労ですがちょっと階段を昇って玄関先まで来ていただけないでしょうかという厚かましい魂胆です。

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ジイジの流木の魚やスタンドランプなども置いてありますよ。孫たちが部屋を散らかしてなければ上がっていただいてお茶でも一杯差し上げたいところです。
いずれにせよジイジ・バアバのつくるものは、暮らしのなかで楽しんでいただけるものをと考えているわけですから、こんなカタチのShopもアリかなと思っているのですが・・・。

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by love-all-life | 2010-09-05 22:12 | 「モノ」がたり | Comments(0)