HAND & SOUL

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「セヴァンの地球のなおし方」

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ドキュメンタリー映画「セヴァンの地球のなおし方」が25日から封切られるとの報道をみました。

セヴァン・カリス・スズキの名をご記憶でしょうか?
1992年、ブラジルのリオデジャネイロで開催された、環境と開発に関する国連会議(地球サミット)に参加、5分間の伝説のスピーチを行い、世界各国代表に感動を与え、鳴り止まぬ拍手喝采を浴びて、一躍有名になった12歳(当時)の少女です。

「オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう
死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、あなたは知らないでしょう。
絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、あなたは知らないでしょう。
そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみがえらせるのか、あなたは知らないでしょう。

どうやって直すのかわからないものを、壊し続けるのはもうやめてください。」


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(スピーチ全文は http://www.sloth.gr.jp/relation/kaiin/severn_riospeach.html)

日系カナダ四世のセヴァンは、幼い頃から海や野の自然観察に強い興味をもつ少女でしたが、TVジャーナリストの父、社会運動家の母の影響を受けて環境問題に関心を持つようになります。日系三世である父から戦時中の強制収容所での体験や、両親に連れられてアマゾンを旅し、先住民族の世界観や、破壊されつつある森の実体を見聞します。
小学5年生のとき、同じく環境問題に関心をもつ友だちと語らい、一体なにが起こっているのか、もっと知らなくてはと思い小さなクラブを結成し、ECO(Environmental Children Organization)と名付け、海岸掃除や、チャリティイベントや、カナダの先住民族の村の水に使うフィルターを買うお金を集めるなど、いろいろな活動を始めました。
彼女が11 歳のとき、トップの政治家や各国首脳がリオデジャネイロに集まって世界最大規模の会合が開かれるという噂を耳にしました。国連は、この会合で21世紀に向けてより持続可能な生き方を決めるということです。そして、この会議の結果によってもっとも利益を受け、または苦しむ結果になるのが彼女たち(子どもたち)なのに、この会議には若者の代表がだれもいないことを知り、「ECOこそ子どもたちの代表としてブラジルに行くべきだ!」と考え、資金を集め、1万キロの旅をしてリオにやってきました。
彼女達の会場外での活発な動きが事務所長のジェームス・グラントの目にとまり、5分間のスピーチの機会が与えられたのです。

セヴァンの本会議場でのスピーチはYOU TUBE(http://www.youtube.com/watch?v=XjlUyVnDGIA)でみることができます。
彼女のスピーチのすばらしい内容と、世界のサミットたちを前に、怒りをあらわにスピーチする態度には圧倒されます。思わず小学6年の孫と比べてしまいますが、いやこの子にもきっとどこかに同じだけの潜在能力があるにちがいないと、自ら言い聞かせるのがやっとでした。


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それにつけても、「どうやって直すかわからないものを、壊し続けるのはもうやめてください」というセヴァンのメッセージは、そのまま「どうやって直すかわからないものを、つくり続けるのはもうやめてください」として、原発推進派の皆さんにお渡ししたいし、さらにこれが子供から発せられたメッセージであることを決して軽んじてはならないと思うのです。
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by love-all-life | 2011-06-24 18:03 | 時事・社会 | Comments(0)

ゲンジボタル

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佐助稲荷の近くに住むTMさんから「蛍が出たよ」と電話がありました。もうそろそろだと思って、出たら知らせて欲しいと頼んでいたのです。早速孫たちを連れて出掛けました。
ここ佐助稲荷は、源頼朝が不遇の身で病についていたとき、夢に現れた、かくれ里に住む仙人のお告げに従って病を癒し、鎌倉幕府を開くことができたという故事があり、頼朝が幼少のころ「佐(すけ)殿」と呼ばれていたことから、佐助稲荷となったのが来歴です。
ということで、ここに出る蛍は源氏の正統の流れを継ぐ、言わばサラブレッドのゲンジボタルなのです。

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今年は気温が低いせいか、まだ4、5匹ですが、かくれ里の山懐の暗く沈んだ窪みにゆらゆらと小さな光が漂っています。道々賑やかにはしゃぎながらやって来た孫たちもシーンと息をつめて目を凝らします。
ゲンジボタルは、平家に敗れた清和源氏の頼政の哀れな運命を偲んで、夏の夜に漂うはかなげな光と命を、平安時代に生まれた「もののあわれ」という日本固有の美意識に重ねた命名とされています。
小学生の子供たちにとっては「もののあわれ」を理解すべくもありませんが、ふだんテレビ画面から発せられる激しい閃光とノイズを浴びることに馴れっこの彼らにとっても、虫の声さえしない静寂、かすかな草の匂いとほのかに点滅しながら浮遊する光の舞は、すべての刺激がわずかであるのでかえって内なる感覚が覚醒され、あえて言えば、日本人としてのDNAが呼び覚まされていくようです。彼らの沈黙がそのことを物語っています。


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アイルランドに生まれ、日本を愛し、明治37年に日本人として没した、かの小泉八雲に「虫の演奏家」という、秋の虫を愛でる日本の文化について書いた随筆があります。季節は異なりますが、結びの文章をこの時期にご紹介するのは意味あることと思います。

「虫の声一つあれば優美で繊細な空想を次々に呼び起こすことができる国民から、たしかに私たち西洋人は学ぶべきものがある。機械の分野ではそういった国民の師であることを、全て人工的に醜く変えてしまうことでは教師であることを、私たちは誇ってもよいであろう。だが、自然を知るということにかけては、大地のよろこびと美とを感じるということにかけては、いにしえのギリシャ人のごとく、日本人は私たちをはるかにしのいでいる。しかし、西洋人が驚いて後悔しながら自分たちが破壊したものの魅力をわかり始めるのは、今日明日のことではなく、先の見えない猪突猛進的な産業化が日本の人々の楽園を駄目にしてしまったとき、つまり美のかわりに実用的なもの、月並みなもの、品のないもの,全く醜悪なもの、こういったものをいたるところで用いたときのことになるであろう。」(「日本の心」平川祐弘編・講談社学術文庫)

日本人としてやや恥かしい思いを禁じえませんが、何という先見、何という正確な予言でしょう。
フクシマが起こってしまった今、次の予言を異国の誰かにされる前に、われわれ自身が先見性を示すときではないでしょうか。
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by love-all-life | 2011-06-20 15:41 | 文芸・アート | Comments(0)

カマクラある記 14 <大町へ>

6月のある朝、小町から大町へのウォーキングです。鎌倉の中心地区ですから、名のある多くの社寺、樹木、廻る山々と観光の見どころに事欠きませんが、昭和の後半くらいまでは銅工屋、畳屋、表具屋などの軒先で仕事をする職人を見かける庶民の街でもありました。鎌倉で齢を重ねた勝手気ままな目線でカマクラの重箱の隅を突きます。

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何故か、景色のなかの人工物が、古びて、汚れて、干涸びて、朽ちていく姿に惹かれるのです。こちらが老いたので、同じように老い寂れていくものへの親近感という理由からばかりではなさそうです。
新しく生まれる人工物があまりにケバケバしく、傍若無人で、無神経なのに、日頃から腹立たしい思いをしているので、仕返しをしたいという心理がどこかで働くのでしょうか、なんか「いいな」「面白いな」「美しいな」と感じてしまうのです。

ずいぶん前から、海岸の流木や小石のフォルムや色や表情に興味をもち、美しいと感じ、手元に置き、眺めたりいじくったりしてきました。
かれらは、光と風と波にさらされ、揉まれ、少しづつ少しづつ、気の遠くなるような時間をかけて、気象条件と自然のリズムのなかでつくりあげられた造形物です。ここで自然が施す造形の営みは、人間が行う、早く、安く、大量にという工業生産の原理とあまりにもかけ離れたリズムで行われるので、まるで魔術をかけているように感じられるほどです。
そして、この自然と時間の魔術はなにも海岸の漂着物だけが受ける恩恵ではなく、世の中に存在するすべてのものにもに行き渡っているのだということに気付いて、街の人工物の古びの魅力の理由にも納得がいくのです。

さて、これから始まる自然エネルギーの活用の道。そこではいままで原発をつくってきた、早く、安く、大量にの原理が通用しないことを肝に銘じなければなりません。肝に銘じるというのは、エネルギー開発に関わる政府をはじめとする関係者だけではなくて、利用者にとっても覚悟が求められるということでもあるのです。 

S A V E   E N E R G Y  !
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by love-all-life | 2011-06-11 23:15 | カマクラある記 | Comments(1)

臨時休業のお知らせ

6月11日(土)、12日()は都合により臨時休業とさせていただきます。
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by love-all-life | 2011-06-10 08:29 | 臨時休業 | Comments(0)