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積極的平和主義

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流行語大賞が発表され、今年の漢字が決まり、近頃は言葉で一年を総括するというのが年の瀬のならいとなった感が あります。 
さて、当方として、今年気になる言葉としてひとつ取り上げるならば、それは「輪」でもなく、「じぇじぇじぇ」でも 「お・も・て・な・し」でもなく、「積極的平和主義」です。 
「積極的平和主義」という言葉を気に入っているわけでも、嫌っているわけでもありません。ただ戦争体験のない安倍首相 の口からこの言葉が発せられると、「?」となってしまうのです。

 そもそも平和主義とはどういう意味でしょうか。手っ取り早いとこでWikipediaに尋ねると、「平和主義とは戦争や武力 行使や暴力に反対し、個人や組織や国家の紛争の解決を求める手段として、例外を認めない絶対的な非暴力・非軍事力に より、平和の追求や実現や維持を求める思想のことである。」と出ています。 う〜ん、安倍さんの言っている平和主義と大分ニュアンスが違うなという感じです。 
安倍さんは「積極的」平和主義と言っているのだから、じゃ、この「積極的」というところに彼の本当の思いがあるに 違いないと報道などで安倍さんの発言を聞いていると、彼の主張は「わが国が平和であるためには、他国の武力に対して いざというとき対抗しうる最低限の武力を持っておこう」という現憲法の理念は、台頭しつつある中国の覇権主義などに 対するには消極的すぎるのであって、相手が武力を使いそうだと分かったら事前にそれを叩き潰すくらいの準備をしておく ことこそが「積極的」な平和主義だということのようです。武力をもっと蓄えて、いちはやく使えるようにしておくことが 「平和主義」というのですからやはりなんだかヘンです。 

「積極的平和主義」とならんで、安倍さんが最近よく口にする言葉に「我が国と郷土を愛する心を養う」というのがあります。
 国のリーダーが国を愛することを唱えて何が悪いというむきもあるでしょう。しかし「国家」という言葉について再度Wikipedia を尋ねてみると、「国家は、国境線で区切られた領土に成立する政治組織で、地域に居住する人々に対して統治機構を備える。 領域と人民に対して排他的な統治権を有する政治団体もしくは政治的共同体である。 」とあります。 この定義からも、国家という概念そのものが「排他的」という紛争の種を宿しているのです。一国の平和を言い募ればつのる ほど世界の平和からは遠のいていくというのは悲しい皮肉です。安倍さんの「積極的平和主義」の分かりづらさも、この皮肉 に発しているのでしょう。 

「積極的平和主義」にしても「我が国と郷土を愛する心を養う」にしても、一国の首相が唱える言葉として一見強くきれいで カッコよく聞こえますが、国のリーダーが敵の姿を明確に示し、カッコよく威勢のいい言葉でナショナリズムをあおりだした ら「コワイ」というのが歴史の教えるところです。わが身がこの世の空気を吸ったこの77年の間でも、太平洋戦争のときが そうでした、9.11後のアメリカがそうでした。 
本当の平和主義者を「弱虫」「腰抜け」「非国民」と罵倒する愚を繰り返してはならないと思うのです。


 もし積極的平和主義という言葉が成り立つとすれば、こういう主張でしょう。 
「私には人に命を捧げる覚悟がある。しかし、人の命を奪う覚悟をさせる大義はどこにもない」。
                                           マハトマ・ガンジー








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by LOVE-ALL-LIFE | 2013-12-24 13:11 | 時事・社会 | Comments(0)