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HAND & SOUL

カマクラある記 6


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ご近所から孫たちに地引き網の体験のお誘いがありました。ご好意をすごく拡大解釈してジイジもタンコブとしてついて行きました。
朝9時、晴天、集合場所の材木座にはすでに子供たちや保護者100人近くが集まっています。
主催者の挨拶に続いて全員で体操。心身ともに爽やかで、いい日というのはこんな日なんだという気分です。

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地引の網が上がるまでの待ち時間にパン食い競走や、スイカ割りなどが予定されていましたが、漁師さんとの行き違いで、すぐに地引ができるということになり、子供たちは大急ぎで綱にすがりつきます。漁師さんの大きなかけ声で力いっぱい綱を引いてきてはまた波打ち際にかけ戻って綱をとることをくり返します。綱を引くこと20分あまり、獲物の小魚が見えてきます。皆の期待は否応なく膨らみますが、網にかかった収穫は期待ほど大きくなく、相当量の小魚と小・中型のサバのほかに名前のわからない魚少々とフグなどでした。

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「毒のあるのがいるから魚に触ってはいけない!」という漁師さんの声に、魚を仕分ける漁師さんを十重二十重と取り囲んで作業を見守ります。とても大量とはいえない漁でしたが、自分自身で引き寄せた獲物だけに一同満足の面持ちです。
プラスチックのフネに入った硬直した状態や切り身ではなく、ピチピチと跳ね回る魚を見るのは多くの子供たちにとって初めてなのでしょう。眼は興味と驚きで一杯に見開かれています。
生きた魚が食欲と結びつくのはおじいちゃんおばあちゃんたちだけのようです。

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イワシの稚魚らしい5、6センチの小魚とサバを選り分けて、網にからんだ海藻や食べられない雑魚を捨てます。
砂地に放られたフグをかわいそうだからと、こっそり指でつまんで波打ち際に放してやる親子もいます。生き物の命を大切にする気持ちは尊いですが、わたしたちの「生」もこのような殺生に支えられているのだということを何人の子供たちが気づいてくれたでしょうか。

最後にそれぞれの家族がビニールの袋にサバ1尾と雑魚を分けていただきました。
この雑魚どう料理するのですかと少し困った表情で若いお母さんに聞かれたので、唐揚げかかき揚げ天ぷらでしょうねと、少し自慢げに答えてあげました。
by love-all-life | 2009-09-11 10:38 | カマクラある記