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HAND & SOUL

小泉 均 個展

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昨日は、かっての大学で同僚だったタイポグラフィー・デザイナー小泉均さんの個展「水=みず」を観て来ました。(このタイトル、本当は「水」と「み」に濁点があるのですが、表記できないのでこの表記で許してもらいます。)
このタイトルでもわかるように、小泉さんは「文字」と、自身の美意識に徹底的にこだわります。

多くの美しいアルファベット文字を生み出したスイスのバーゼルの造形大学に留学し、「文字」の背後にある美の精神をしっかり身に付けてきた人です。その彼がバーゼルで何を学んだかをこっそり打ち明けてくれているようなリトグラフと、デザイナーとしての仕事が展示されています。

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展覧会のもうひとつの楽しみはその会場です。地下鉄茅場町駅から2分ほどの、昭和2年に建てられたビルデングまたはビルジングとでも言いたくなるような、小さなビルの1室のアート洋古書を扱う本屋さんのお店の半分がギャラリーなのです。

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重い鉄のドアを開けると、10坪にも満たない部屋には洋古書の匂いと、時間と国境を超越した不思議な懐かしい空気が流れています。
3階のギャラリーの窓の下にはポンポン蒸気が行き交う神田川の分流の亀島川が流れていて、ウォーターフロントを会場に選んだ小泉さんのこだわりがわかり、小泉ワールドが堪能できる仕掛けになっています。


展覧会の後、地下鉄で銀座に出て、久しぶりに銀ブラをして帰ってきました。いつも東京に出るとギラギラ、ザワザワの喧噪に疲れ果てて家にやっとたどり着くのですが、昨日は上質の器で心ずくしのお点前をいただいたようなさわやかな満足感で、ジイジ、バアバともに歩みも軽く家路につくことがてきました。

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by love-all-life | 2009-11-17 23:34 | 文芸・アート