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HAND & SOUL

HAND & SOUL「モノ」がたり 46 <一生の水 5万2千円>


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久しぶりに青山に出たらISSEY MIYAKEの店頭に「EDITION ETTORE SOTTSASS」の文字を大書したポスターが出ていました。
ソットサスと聞いては見過ごすわけにはいかないと店に入って、可愛らしい店員に「ソットサスってもう死んだんでしょう?」って聞いてみたら、三宅一生さんが1997年にソットサスにボトルのデザインを頼んで、デザインはできたのですが技術的な問題で実現できなかったものを、2007年にソットサスが亡くなって彼へのオマージュとして難問を克服して完成させたフラグランスなんだと説明してくれました。

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ジイジにとってエットーレ・ソットサスは、「人生は楽しむものだ」というメッセージを送り続けてくれたデザインの巨人でした。
1960年代に鎌倉の文房具店のウインドーに飾ってあった彼の代表作のひとつ、オリベッティの「バレンタイン」を、タイプライターなど暮らしには全く必要がなかったのに美術品を買うような気持ちで買ってしまいました。
真っ赤なケースにプラスチックがこんなに美しいモノかと感心し、ケースの留め具のデザインに「ウーンすごい」とうなってしまい、それ以来ソットサスは「ザ・ソットサス」になってしまいました。
用事もないのに「バレンタイン」を取り出してはポツリ、ポツリと文字を打ち込みながら G O O D  D E S I G N の意味を噛みしめているような気分に浸ったものす。


さて、L’EAU D’ISSEY/ EDITION ETTORE SOTTSASSに戻りますが、全製品にシリアルナンバーがついた世界で2000本限定の販売となっていて、お値段が¥52,000 です。うーん5万2千円か・・・
昔だったら多分コレクションアイテムとしてなどと言い訳を考えながら買ったでしょうが、いまの境遇では衝動買いは慎むべしと自ら言い聞かせて店を出ました。

値段をつけるというのは難しいものです。とくに一品生産の手づくりとなるとその製品が生まれるまでに作り手が注ぎ込んだ技やアイディアや時間に見合う値段と、自分が買い手だったら支払うだろう値段がまったく釣り合わないのです。でも店をやるとなると少しでもお客さんに買ってもらいたいし、何気なく入ったHAND & SOULで思わぬ素敵なモノを発見!という体験をして欲しいとの念いは募ります。
ISSEIY MIYAKE や ETTORE SOTTSASS といったビッグネームと縁のない店としては、200円のLOVE STONEや400円のMINI HOUSEなども用意してお客さんの喜びの声を期待しているのですが・・・。
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by love-all-life | 2010-04-17 10:30 | 「モノ」がたり