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HAND & SOUL

景気ばなし


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デフレ脱却・景気回復のかけ声で年が暮れ、年が明けました。ここ何年かの国政への期待調査で「景気回復」がずーっとトップだったのですから、安倍政権は国民の負託応えているといえるのでしょう。テレビの安倍さんの顔がだんだん自信が満ちてきたように感じるのは気のせいでしょうか。 
ここへきて経済界も企業トップが報酬アップや雇用拡大を唱え、アベノミックスに歩調を揃える姿勢を示し始めました。 

「景気」とは、「景」が「かげ」や「ものごとの様子」を表し、「気」は「こころの動きや気分」を表す字の組み合わせです。
とすると景気がよくなるといっても、必ずしもイコール実体経済がしっかりするということでもなくて、「世の中少し活気がでてきたみたい」という気分が、さらなるお金回りを促して、一部の贅沢品が売れたり、とんでもない金持ちが出現したりという現象になり、「ン?景気がよくなったのかな」と思う人が増えてくるといったようなことではないかと思うのです。
 所詮は気分のファクターが大きいと知っているからこそ、政治リーダーは「景気回復、デフレ脱却」を声だかに連呼し、そうなって欲しいと望む財界もそれに唱和するのでしょう。 株や相場の変動が、なにかしらの理由があるにしても、それを針小棒大に事あげしたり、抹殺するなどの心理操作で上がったり下がったりするといったことも含めて、お金に関することには「気分」が大きく物を言うことから「景気」という言葉が生まれたと勝手に解釈しています。 

お正月気分か、景気の回復感に勢いづいてか、銭洗弁天へ三々五々途切れない参拝の人の流れをHAND & SOULの窓から眺めて思うのは、戦後の無一文から復興、バブルと経てきて、物や富の豊かさが心の豊かさや幸福と直結するものではないことを思い知ったはずなのに、またきた道を繰り返すのかと感じるのは、このさき懐具合の好転をのぞむべくもない後期高齢者のひがみでしょうか。
 暮れに読んだ本で出会った「富は海水に似ている。飲めば飲むほど喉が渇く。」 というショーペンハウエルの言葉にいたく共感してしまいました。 
お正月早々景気の悪い話ですみません。 


 上の写真は、京都・龍安寺のつくばい。吾唯足知(われ ただ たるを しる)が刻まれています。これと表裏で、「貧乏とは、ものが足りないことではない。ものがあっても足りないと思うことだ。」というリトアニアの古い諺もあります。








by LOVE-ALL-LIFE | 2014-01-11 21:40 | 時事・社会