
以前にもブログに書いたことですが、お店をやる楽しみのひとつは、と云うより最大の楽しみはいろいろなお客さんとの出会いです。
昨日来店のお客さんはと云うと・・・
雑誌の掲載記事を見て来てくれた何人かのお客さん、名古屋から江の電に乗りにきたついでに寄ってくれた女性、世界各地で子供の絵のワークショップをしているバアバの30年来の友人、頻繁にやって来ては「これ売れない?」と石とかビンとか不思議なものを持ち込んでは何も買わないで帰る近所に住む友人、狭い店の中を30分ほどもかけて寡黙に観察してからネックレスなど4,000円ほどの買物をしてくれた今回で二回目になる戸塚からのリピーター、そして何組かのほのぼのカップルや仲良し女性グループ、そしてそして突然現れたスペシャルなお客さんはなんとハムスターさまのご来店でした。

このハムスター君、飼い主が首から下げた特製のケージに入ってやって来ました。他のお客さんが「ワァーかわいい!」とって近寄ってきても馴れているのか驚く風でもなく、ケージのすきまから鼻先をだして店内を物色している様子です。飼い主の方は大柄・長髪・黒装束の男性で、その風貌とは裏腹に繊細でいかにもやさしいお人柄とお見受けしました。「手づくりのモノが好きでね」ということは凝りに凝ったHAND & SOUL風ケージで一目瞭然です。
他のお客さんは商品よりもっぱらハムスター君を取りまき、ジイジの目はケージに釘付けです。あちらが店を楽しんでくれる以上にこちらがモノづくりマインドを大いに刺激され、また「店をやってよかった」がひとつ増えました。

悪しからずご了承ください。
HAND & SOUL

昨日は予報どおりの晴天、5時半に家を出て海岸へ。同じコースを歩く楽しみは時とともにうつろう自然の変化が感じられることです。家々の植込みの草花の背丈がひとまわり大きくなり、先週までのジャスミンの香りは夏の到来を予告する卯の花にとって代わられ、早起きしたせいか小鳥のさえずりも一段と多様になり、なかでもウグイス、コジュケイ、ホトトギスなどの声が際立ちます。
デジカメを手にいつもと同じ径を歩くとなると観察者の目はいきおいディテールに向きます。
そうして得た三文の得ならぬ早起きで発見した七不思議です。

藤村が詠んだヤシの実は確か遠州灘だったのでは。人恋しいヤシの実がなんと由比が浜に・・・・

砂浜に表れた老人の皮膚の血管のような筋は何? 生き物の痕跡には違いありませんが、いったい誰が何のために?

命を落として浜辺に打ち上げられる水鳥は少なくありませんが、自分の墓標まで立てるとは・・・

波がつくった小堀遠州なみのシブい漂着物

地上30センチから見る、天空5,000メートルからの眺望

なぜか橋の上に地下道が・・・

いくら近づいても決して逃げない不思議な猫

新潟にいた頃のアパートは勤め先の大学のキャンパスと地続きで、キャンパス内の出来事が手にとるようにわかります。定期的に庭師が入って立木の剪定をして、切り取った枝が庭の一隅に積み上げてあります。それらはやがてシュレッダーのような機械にかけて砕き、庭木のカバーリングにするのですが、砕かれる前に少し失敬してきてリースをつくったりしていました。

枝を細長い棒として使わないで輪切りにスライスすると、小さな丸いボタンのような素材がいくらでもできることに気づきました。外側に薄い皮が輪郭のようについていて、丸といってもみんな不定形で、大きさも形も画一のようで画一でなく、ひとつひとつが「自然」をささやいているように見えます。これまでも、額縁の装飾にしたりしてこの素材を使ってきましたが、今回は単純なパターンを描いてちょっとエスニックなネックレスにしてみました。

相変わらずお金のかからない素材を使って、時間と手間とアイディアで価値を生み出すHAND & SOUL流モノづくりの新アイテムです。
小枝のネックレス ¥5,000

HAND & SOUL が紹介されている「OZマガジン」誌6月号が発売されました。

チッポケな店なのに1ページを使った破格(?)の扱いです。
取材の日、編集の方と同伴のはずだったカメラマン(カメラウーマンですが)がちょっとした事故で到着が遅くなってしまって、結果的に長時間の取材となって、記者の方と話がすっかり盛り上がってしまったせいかもしれません。
本屋さんで立ち読みもいいけどできれば買ってくださいね、便利な鎌倉案内になっているし500円と手頃なお値段ですし・・・。
2月には「天然生活」誌の別冊付録「fu-chi」でも内藤三重子を特集していただきましたし、1年たって少しづつ認知されるようになるのでしょうか。
なにせ足の便がよくない上にわざわざ隠れて立てたようなロケーションですから、こうして雑誌などで取上げてもらうのはとてもありがたいことです。
でも、あまり大勢の方に来られても手狭ですし、ジイジ、バアバの老腕、細腕でコツコツやっていますから品薄になっても困りますし・・・、これって捕らぬタヌキのなんとかって言うのでしょうけど。
それにしても以前からの予定していたこととはいえ掲載誌が発売された最初の金曜、土曜を臨時休業するのはくやしいし、記事を見てわざわざ来てくれる方がいるとすれば本当に申し訳ありません。ゴメンナサイ
都合により臨時休業とさせていただきます。
HAND & SOUL

ほとんど完璧といっていいほどのお天気続きのゴールデンウィーク。鎌倉は未曾有の混雑の声を聞きながら、「ヒトが遊びぶときはこちらは仕事」という商いの鉄則に従って3日、4日、5日の月、火、水も店を開けました。「1周年でしょ、おめでとう」と祝福してくれるご近所の方、わざわざ遠方から来てくださる友人・・・
心細い思いをしながらもHAND & SOULをやっていなかったらこんな喜びは味わえなかったなァと、たくさんの方、いろんな幸運に感謝、感謝です。
お花見以来の散歩で海の方へ出てみました。休み明けの朝、パワーチャージしていつもより早足で仕事に向かう勤め人たちに逆らって由比が浜へ出ました。

閑散とした砂浜には沢山の足跡、崩れた砂山、散乱した海藻などが、昨日まで戦場のようにごった返した海岸の情景を彷彿とさせますが、いまは生きものといえば若干のサーファーと散歩のお年寄りなどいずれも世の流れの埒外にいる人間のほかにはたくさんのカラスだけです。
例によって、目線を足もとに落としてゆっくりゆっくり歩きながら気になるものをパチり、パチり、デジカメハンティングします。


何かの不幸に襲われて命を落とした上にカラスの空腹を満たすために無惨な姿と化した海鳥や魚、死んでいるのだろうけど朝日を受けて宝石ように輝くクラゲたち、謎の物体・・・・
おそらく砂の下、波の中には何万もの命が生息しているのだろうけど、視野に入る限りではいくつかの死だけが昨日までのツワモノたちの夢の跡を演出しているが如くです。
行楽客からは忌み嫌われるような物体ばかりですが、結構それなりに美しいと感じるジイジは変態でしょうか?幸せ者でしょうか?
かって4月29日は「天皇誕生日」として国民祝日だったのが、昭和天皇の崩御で一旦は「みどりの日」と改められましたが、その後国会でいろんなやりとりがあって、4月29日は「昭和の日」とし、「みどりの日」を5月4日に移動するとしたわけです。
以上、Wikipediaで確認しなければならないほどややこしいのですが、ま、祝日が増えることに反対はあまりないでしょう。
ジイジたちの年代は国民祝日は年に9日と覚えていたものですが、今は15日+振替休日もあって、タテマエとして国民はゆとりのある暮らしをエンジョイしていることになっています。
世界でも稀なほど緑に恵まれた国土をもつ日本が「みどりの日」をもつのは自然の成り行きかもしれませんが、恵まれ過ぎて緑の本当のありがた味や、緑が失われることへの危機感が乏しいことへの警鐘の日でもあるわけです。
友人のK.M子さんから届いた「警鐘の情景」を転載します。
Just one more problem caused by deforestation..........
森が消えたらこんなことが起こるかも・・・
