HAND & SOUL

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HAND & SOUL「モノ」がたり (130) 「ゴミになった『ゴミ箱』」


わが町内のゴミ箱が古くなり壊れてきたので、新しいものと取り替えるに当たって、町内会からHAND & SOULにオリジナルなものを作って欲しいという要望がありました。「屋外に置くものは……?」と一旦は断ったものの、「自分が住む地域にふさわしい『ゴミ箱』とはどんなものだろうか?」を考えてみるよいチャンスと思い直して引き受けることにしたことは、以前このブログで取り上げたことがあります。8年ほど前のことです。
(写真は完成時のゴミ箱)
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出来上がった当初は、皆さんから喜ばれ、地域のテレビや報道でも取り上げられたりして、ちょっぴり評判にもなりました。
しかし3年も経つと、木製のゴミ箱は早くもあちこちキズがついたり塗料が剥がれたり、カラスが隙間からビニール袋を破くと言ったクレームがきたりして、その都度手入れをしなければならなくなりました。そのうち誰がこんな乱暴な使い方をするのだろうと思うような故障が起ったり、車がぶつかったのではないかと思うような破損が起きたりして、その都度の手当の度合いも頻度も大きくなり、見た目の体裁にも影響が表れるようになりました。
よく市の広報などで報じられる年間予算で、公衆便所や公園の遊具などの設置に何千万円、何百万円もの驚くような予算が計上されていて、「何たる税金の無駄遣い」と感じることもありましたが、私物と違って公共物は誰がどんな使い方をするかわからないので、リスク管理のために莫大な費用がかかるものだということをある程度理解するようになりました。
近隣の共有物とは言え、そんな公共物を半端な素人芸で引き受けてしまったことがそもそもの誤りだったと悔やんだりしましたが時既に遅しです。
地域の景観を高めるまではいかないにしても、せめて損ねないような「ゴミ箱」を目指したのに、だんだん修理の跡があちこちに目立つようになり、表立ったクレームは出なかったにしても,ここ何年かは何だか肩身が狭い思いで過ごしました。
設置から8年が経ち「刀折れ矢尽きた」ような姿になった姿に、さすがにご近所から「もうそろそろ寿命じゃないの」という声があり,新しい既製品と取り替えることになりました。 寂しさと悔しさを感じながら、製品が姿を消すまでがデザインの守備範囲であることを痛感した体験でした。
(写真は8年目の姿と、取り替えられた既製品のゴミ箱)

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さて、「ゴミ箱」はゴミとなり,市が廃棄してくれるということでしたが、「捨てるのは可哀想」「もったいない」などというという温かい声があり、町内の方のお知り合いで、いろいろな動物を飼っているという方が引き取ってくれることになり、撤去の日に軽トラックに乗せられて去って行きました。なんとアヒルの小屋になることです。 うれしい。




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by love-all-life | 2018-07-16 18:39 | 「モノ」がたり | Comments(0)